大阪堺市中区にある、正規ディーラー「ハーレーダビッドソン南大阪」(以下、H-D南大阪)。2019年ディーラー・オブ・ザ・イヤーを受賞、年間車両販売台数(2019年度)とアパレル売上で首位を誇る秀逸な店舗だ。ただ売るだけではなく、サービスを徹底しお客様との信頼関係を構築しながら働く、ハーレー愛に溢れたスタッフの方々を取材した。
※今回の取材では一時的にマスクを外しての撮影をしていますが「H-D南大阪」のスタッフと取材スタッフ一同は、新型コロナウィルス感染拡大のガイドラインに従いマスク着用し取材をしています。
H-D南大阪は、気軽に通える店と評判だ。その理由の一つは、バイク乗り目線だけではなく、一般的なアパレル目線でセレクトされたファッションアイテムが充実していること。「高校生の時からハーレーアパレルのファン」というハーレー愛に溢れるアパレル担当の、GMマネジャー・萩 ゆきみさんにお話を伺った。
萩さんがハーレーと出会ったのは、まだ幼い頃のこと。H-D南大阪の創業者であり、現取締役会長の父親が、正規ディーラーになったことがきっかけだ。
「ハーレーのバイクが好きなのはもちろんですが、高校生の時からハーレーアパレルを集めるようになりました。特にハーレーの古着を見つけると、必ず買う!というルールも自分で設けていました。
大学生の時には、海外でもハーレーアパレルを購入するようになりました。アメリカでディーラー会議があると父に同行して現地に赴き、ディーラーや古着屋さんに飛び込みアパレルを必死に探していました。古着のTシャツに短パンにブーツとか、ハーレーアパレルを組み合わせて、街着としてのコーディネートを楽しんでいました」
「そもそもハーレーって歴史があるバイクブランドなので、アパレルに関しても新しいものから、時代ごとにデザインや素材が違う古着もたくさんあります。雑誌などでファッションモデルの私服が私の持っていないハーレーの古着Tシャツだったりすると、悔しい!と思うこともあるくらい(笑)。ハーレーアパレルのすべてを知りたいと、思っていたんでしょうね」
大学2回生のころ、友情を深めた各国のディーラーに毎年会いたいと思い始める。また、ハーレーオリジナルアパレルを自らがデザインして残したいと思ったことから、H-D南大阪に就職をすることを決意。その後アパレル部門を任された萩さん。
どういったシチュエーションで着たいかということを常に考えてコーディネートしているという。
季節のアパレルに合うテントやサーフボードといったアイテムもコーディネートと一緒に飾る。
「最初、父からはアパレルは最低限の対応で良いと指示されていました。でも、徐々に売上をあげて管理を任されるようになりました。H-D南大阪はメカニックが素晴らしく、スタッフ全員が国家2級整備資格、HARLEY-DAVIDSON UNIVERSITYの最上級ランクのマスターを持っています。また、営業担当も全員バイクに乗るので詳しく、乗る人の気持ちを理解していると思います。では私は何をすればいいのか。メカニックもバイクにもすごく詳しいわけではないけど、ハーレーの楽しさをアパレルやツーリング体験で伝えるのが役割だと思っています」
広々としたアパレルスペースには多くのハーレーアパレルが並ぶ。
アパレルの売上がアップしたのは「SNSを始めたことが大きい」という萩さん。元々あったFacebookからスタートして、InstagramやYouTubeまで展開している。自らがセレクトしたバイク用のレザージャケットやブーツから、タウンユース可能なタンクトップやパーカー、入荷したものはほとんど背景を考えて撮影しアップしている。
まるでファッションブランドのインスタグラムを見ているかのようなセンス。
( H―D南大阪インスタグラムより)
自らがモデルとなりコーディネートを披露することも売上UPに。
(H―D南大阪インスタグラムより)
アパレル部門の主力商品の一つ、ハーレーとのコラボしたソックスを販売したことも大きい。カリフォルニア発ソックスブランドSTANCE×ハーレーダビットソンが、たまたま萩さんの目に留まり入荷。バイクに乗らないSTANCEファンがSNSを見て買いにくるのも、他ではなかなか見ない光景だ。
STANCE×ハーレーダビットソンのソックス。萩さんの今季おすすめアイテムをピックアップしてもらった。
萩さんにハーレーダビッドソンの魅力を聞いた。すると…「ハーレーがすべてだから」。
最初は趣味から始まり、仕事として関わり、ハーレーで友達との出会いもある。今までも、そしてこれからもハーレーとともに人生があり、ハーレーのない人生なんて考えられないほど身近にありすぎて言葉がみつからないという。
「ハーレーへの憧れを抱いたのは小学校のころ。白のヘリテイジにのっていた女性がカッコ良くて、いつかは私も乗りたいと思っていました。18歳で大型自動二輪免許を取り、母のファットボーイに乗ったのが初めて。今、乗っているダイナFLDスイッチバックは展示車で、カワイイなぁと思っていましたが私は絶対レザーのサドルバッグが良くて。それが売れなくてカスタマイズして、シートとグリップとタイヤをホワイトカラーにしたら素敵で!売れてほしくないなぁと(笑)。お客さまが見に来るたびにドキドキ。結局、売れずに私のもとにきました」
最後に萩さんは、ハーレーの魅力は言葉にしきれないが、ハーレーに乗りたい方へ「ハーレーの楽しみ方は人それぞれです。バイクに乗って旅をしたり、カスタムを楽しんだり、ファッションを楽しんだりと、ハーレーのある人生の楽しさや魅力を自分の経験を語ることで、お客様にご提案できたらといつも考えています」という。
ハーレーの魅力は乗る人自身が感じるもの。
萩さんの場合、自分の意志を無理に押し付けずにハーレー愛を体現しているのだ。
「結果は後からついてくるもの」というのは、H-D南大阪代表取締役の滝本 隆弘さん。2019年ディーラー・オブ・ザ・イヤーを獲得するために仕事をしたのではなく、今までやってきたことをより確実にした結果だと話す。
「昨年強化したことといえば、今まであやふやにしていたことを整理し紙にするなど、お客様に大切なことを確実に伝える努力をしたこと。ただ、日本でNo.1の販売店であることは絶対でしょうし、売るだけなくハーレーに楽しく乗っていただくサポートも当たり前のことです。バイク乗りのアフターフォローをして、お客様としっかり向き合っていくことが私たち正規ディーラーの務めですね」
そもそも2011年から4年連続で、ディーラー・オブ・ザ・イヤーを獲得してきた実力店。独自のサービスやサポートも行う。ショップ敷地内の試乗が可能だったり、レンタルガレージを提供したり、トライク対応のシャーシダイナモを完備したりと、「H-D南大阪が選ばれる10の特徴」がある。なかでも24時間365日フルサポートは、困ったときのホットラインとして嬉しいサポートだ。
店内には受賞の際にいただいたという表彰盾がずらりと飾られている。
「お客様には社長と店長の携帯電話をお教えしています。咋年の夏には、早朝に北海道から電話がかかったこともありますし、島根までバイクを引き取り、代車をお渡しして帰ったこともあります。お客様が困ったことを解決するだけです」
滝本さんは「ハーレーは独特の造りが魅力」だという。一般的なメンテナンスをすると、ハーレーでは間違いになることもあるのでプロが扱わないといけない。そういう意味で正規ディーラーがアフターフォローをすることは大切なことといえる。
「お客様はどんな時でも助けにいきます」と笑顔で語る滝本社長。
1996年創業の(株)ハイサイドを母体とした、南大阪唯一のハーレーダビッドソン正規ディーラーであるH-D南大阪。スタッフ全員、バイクに乗る楽しみを知るからこそ、お客様の気持ちがわかりサポートができる。滝本さんも萩さんも、ハーレーの話をすると、とにかく笑顔になり輝く。“ハーレー愛”みなぎるスタッフのサポートでハーレーライフを過ごせたら、それは顧客にとって誇り高い体験になるだろう。
ハーレーダビッドソン南大阪
大阪府堺市中区平井107-1
TEL:072-281-8789
営業時間:【月曜日~日曜日】10:00 – 19:00 (3月〜10月)
10:00 – 18:00 (11月〜2月)
定休日:年中無休
ハーレーダビッドソン南大阪 High Side HP: https://harleydavidson-minamiosaka.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/highside_1996/
Text:土井 淑子
Photos:箱崎 太輔