JR大阪駅直結、大丸梅田店にて開催中<~11月23日(月)迄>の体験型イベント「MARVEL STUDIOS:A UNIVERSE OF HEROES(マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ)」。同イベントは、ハーレーダビッドソンの『ライブワイヤー (LiveWire®)』の実車を国内で初展示している。映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)で、万能な戦闘スキルとタフな精神をそなえた世界最高のエージェント、ブラック・ウィドウがアグレッシブなバトルシーンを魅せた、ハーレー史上初の電動スポーツバイクを生で見ることができる初めての機会。マーベル映画ファンならずとも、バイクファン必見のイベントを紹介する。
世界各国を巡回し、日本では大阪が初開催。展示は大きく9つのセクションに分かれ、体験型イベントらしく、会場内はすべて写真・動画撮影が可能というのも人気を呼んでいる。
13階にある特設会場へいくと、外壁にはひときわ目を引くマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)のヒーローたちが出迎える。最強チーム『アベンジャーズ』のアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウといった馴染みのあるキャラクターたちが壁に描かれている。会場内へ入れば、まず、イントロダクション映像とポスタービジュアルで作品を振り返ることができるので、初心者でも十分に楽しめそうだ。
入り口の壁には人気のMCUヒーローたちが描かれている。©2020 MARVEL
アイアンマンを演じるロバート・ダウニー・Jrといった俳優たちが作品を語る映像、映画の名場面などを見て、まずはマーベルの世界に少し入り込んだら、次は2008年に公開された映画『アイアンマン』から始まり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2018年)まで。さらに、2020年秋公開予定の最新作「ブラック・ウィドウ」と、MCU映画22作品を全米公開時のポスタービジュアルと内容紹介で一挙に紹介する。すべての映画を見ていないとしても、公開時のCMを思い出したり、キャラクターについて振り返ったりすることもできる最初のブースは時間をかけてしっかりと観る来場者も多い。
会場に入るとイントロダクション映像とマーベル作品ポスターがお出迎え。©2020 MARVEL
エントランスを抜ければ、そこからは主要キャラクターのブースが続く。最初は『キャプテン・アメリカ』。彼の強さを象徴するシールド(盾)や等身大のキャプテン・アメリカが飾られている。キャプテン・アメリカは、ハーレーダビッドソンとも縁が深く、映画『キャプテン・アメリカ /ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)では、第二次世界大戦中にヨーロッパ戦線で使用されたという1942年型WLAミリタリーに乗り、映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)では、ストリート750と、FXSBブレイクアウトも使用されている。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の冒頭でもストリート750で走るキャプテン・アメリカが現れるというから、どういうシーンにバイクが登場するのか確かめてみて欲しい。
等身大のキャプテン・アメリカの展示。写真を撮ることも可能だ。©2020 MARVEL
キャプテン・アメリカのコーナー奥にあるのが、一際目立つカラーリングのバイクが展示された『ブラック・ウィドウ』のフォトブース。2020年11月6日(金)に日本公開が予定されるMCU最新作品『ブラック・ウィドウ』を予告する等身大パネルとともに展示されているのは、電動スポーツバイク『ライブワイヤー』だ。
© 2020 MARVEL ©HARLEY-DAVIDSON®
世界的にヒットし日本でも大人気の『アベンジャーズ』シリーズ。5年前に公開された映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウが乗りこなした漆黒の電動スポーツバイク、ライブワイヤー。
アベンジャーズの移動機クインジェットが開き、ソウルの市街地へバイクを飛ばす。歩道橋を走り、車体を地面すれすれにバンクさせての急減速、急ブレーキをかけて後輪を浮かせるテクニック「ジャック・ナイフ」を披露するなど、ブラック・ウィドウの華麗なるバイクアクションは、今もファンに熱く語られる名シーンとして知られる。
0:37秒と0:57秒あたりでライブワイヤーに乗るブラック・ウィドウの姿が見れる
作品の中でも、未来的なイメージを彷彿とするライブワイヤーだが、実車もそうだった。
同モデル(欧州仕様車)が、今回のイベントに向けて緊急空輸され、日本で初めて披露されることになったが、まず驚くのは一般的なハーレーダビッドソンのイメージとは違うこと。
©2020 MARVEL ©HARLEY-DAVIDSON®
クルーザーと呼ばれる余裕のあるポジションと、ビッグツイン特有の鼓動感を奏でるエグゾーストノートと共に、大地を駆ける楽しみを伝え続けてきたこれまでのハーレーらしさを、良い意味で覆す電動スポーツバイク・ライブワイヤー。
ビジュアルの象徴となる電動モーターとブラックアウトした車体に浮かぶシルバーのモーターケース。©HARLEY-DAVIDSON®
シンプルでスリムな車体、スタイリッシュなフォルムはモーターを縦置きすることで完成。この縦置きモーター、実は動力軸の向きを90度変えるベベルギアを設けることにし、意図的にギア鳴りとモーター音をミックスしたサウンドを発生させるというから、そこにはハーレーのこだわりを感じずにいられない。
また、クラッチ操作不要。時速0kmから100 kmまでの加速がたった3秒という加速性能に、一度の充電での最大航続距離は235km(シティモード・海外仕様)。現在は北米や欧州などの地域で販売中で、日本でのデビューが待ち遠しい。
他にも、世界中でファンが多い『アイアンマン』のブースは、主人公のトニー・スタークのラボを再現し、歴代のアーマーがずらりと展示され圧巻の一言。また、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのベビー・グルートと一緒にダンスを楽しんだりと、『アベンジャーズ』を初めとした今までのマーベル作品を体験することができる。
ベビー・グルートとダンスを楽しめる体験ブース。©2020 MARVEL
1939年にコミックからスタートした「マーベル」。単なるアメコミのヒーロー作品というだけでなく、常に時々の時代背景や社会情勢を反映する。そして、作品に登場する一人の人間としての苦悩や葛藤を持ちながら正義のために戦い成長する姿をマーベル・スタジオが映像化。この2つが相まって多くの共感を得て、世界的に大人気のコンテンツとなった。
今までのマーベルの世界観を感じながら、過去を踏まえた次の時代へのはじまりを予感させる、探求心を掻き立てる体験イベント。ライブワイヤーの日本初展示も含めて、すべての来場者にとって新時代への幕開けとなるきっかけになればと願う。
Text:土井 淑子
Photos:箱崎 太輔
取材協力:大丸 大阪 梅田店
「MARVEL STUDIOS:A UNIVERSE OF HEROESマーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ」