陽差しに目をさらされるバイカーに、サングラスは欠かせないアイテムです。
運転中に交通や安全の情報を取り入れるのは、視覚からがほとんどだと言われています。アメリカでは法律上、ライダーのヘルメット着用義務がない州でもほぼアイウェアの着用義務があります。それだけ、目の保護は安全のためにも大切なこと。
今回は、バイク専用のメガネやサングラスを開発しているダブルオーグラスギアの檜垣 晃彦さんにアドバイスをいただきながら、フリーダムマガジン編集部で厳選したアイウェアをご紹介します。
──バイカーには、そもそもなぜサングラスが必要なのでしょうか?
「目は唯一、外に出ている臓器です。走行中は五感も塞がれている状態なので、目の役割は通常以上に重要となってきます。紫外線は、素肌に当たると日焼けを起こすように、目の角膜にもダメージを与え、白内障や場合によっては失明の危険もあります。そして紫外線は上方の太陽から注ぐだけではなく、路面などに反射してより強く私たちに浴びせます。ですから、街でもサングラスは手放せません。
また、ヘルメットのシールドは基本的には380nm程度の紫外線しかカットしていませんが、サングラスは444nmまで対応できるものが登場しています。さらに短波長カットなど行うことで、むしろメガネをしたほうが視界がクリアになることがあります」
ファッション性も兼ねそなえ、バイクから降りて使用しても紫外線から目をしっかり守ってくれるサングラスはこちら。
画像提供:株式会社 フォーナインズ
URL:https://www.fournines.co.jp/
“掛けごこち”にこだわった999.9のサングラスは、ファッショナブルなだけでなくバイクを降りて街歩きをするときも心地よさを感じられるモデルです。すっきりとした印象のメタルフレームにはテンプルにβチタンを用い、ハイスペックなコーティングを施したレンズと合わせ快適に。度付きレンズにも対応可能です。
INFO:商品名『Turbine Rotor』(Polished Clear)、価格:¥23,200(税抜)
画像提供:ルックスオティカジャパン株式会社
URL:https://www.oakley.com/ja-jp
フェイスラインに綺麗に沿い目を覆うフレームデザインで、風や光から目を守り、左右のレンズが繋がっている一眼式(シールドレンズ)のTurbine Rotorは、広い視界が得られるのが特徴です。色調やコントラストを強調して細部までくっきりとした視界を実現するOAKLEY独自のPRIZMレンズを採用。また、ノーズパッドとステム部分には、水分を吸収するとグリップ力が増す独自素材のUnobtainium™(アンオブタニウム)素材を使用しているため汗にも強く、くずれがちなライディング時も快適な視界を保ちます。
INFO : 品番『RB4105 601 50-22』(グリーンクラシック)、価格:¥21,800(税抜)
画像提供:ルックスオティカジャパン株式会社
URL: https://japan.ray-ban.com/
最もアイコニックなRay-Banのシェイプを実用的で持ち運びやすくコンパクトサイズの折りたたみ式デザインに構築。クリスタルグリーンな偏光レンズを使用し、ブルーライトを100%カットします。紫外線・湿度・熱・有機溶剤・海水・汗に対する連続120時間耐久性テストを行なっており、紫外線が多く、熱を発生し、多く汗をかく夏のツーリングにもピッタリなモデルとなっています。
INFO : 商品名『SAGE』(マットブルー)、価格:¥3,600(税抜)
画像提供:RIDEZ株式会社
URL:https://ridez.jp/
乱反射による、まぶしさ、ギラツキなどを抑える偏光サングラス。ブラインドカーテンのような構造の偏光フィルムを2枚のレンズで挟み込んだレンズが紫外線から目を守ります。また、ストレートな薄いテンプルはヘルメットにもインサートしやすい仕様となっています。
──サングラスのレンズは、高性能だと言われる“偏光レンズ”や“調光レンズ”を選んだ方が良いのでしょうか?
「偏光レンズ、調光レンズそれぞれ利点も短所もありますから、走行シーンによって使い分けした方が望ましいですね。
偏光レンズは光の乱反射を消すので、高速道路の走行時には快適で安全になりおすすめです。ただし、夜はモデルによっては液晶メーカー類が見づらくなったりするので使えないことも。
また、光に反応して濃淡が変わる調光レンズは『昼夜問わず使用できる』と謳われていますが、ヘルメットのシールド越しだと色が変わらないというデメリットがあります。ですから、調光レンズはシールドのないタイプのジェットヘルメットにおすすめです」
ヘルメットとの相性もバッチリ!乗り物好きのオーナーが自らの経験から市場にないサングラスを開発。こだわり抜いて作られたバイカー専用サングラスはこちら。
INFO:商品名『HydRide』、価格:¥18,000(税抜) (偏光ミラー付き)
画像提供:ダブルオーグラスギア
URL:http://www.double-o.com/
日本人の骨格に合うようデザイン設計されたHydRide(ハイドライド)。モダン(耳かけ)部分はストレートに近い形状なので、ヘルメットをかぶったまま装着可能。乱反射が入りにくくクリアな視界のレンズは、偏光ミラー付き/なし、度付きを選べます。テンプル部分はネジを使用せず、フレームに金属を使わないことで軽量化の実現とサビ対策を施しています。また鼻当ては着脱式で8段階に調整可能。耐衝撃性にも優れ、走行風の巻き込みも極力抑えられる形状となっています。
──フルフェイスやジェットタイプなどヘルメットの形状はさまざまですが、それぞれおすすめのサングラスを教えてください。
「フルフェイスの場合、サングラスをかけるときに出し入れがしやすく、走行中のズレが少ないものがおすすめです。ジェットタイプをかぶっているときよりも走るスピード域が速くなると思いますので、乗車姿勢によって視界が妨げられないものを選びたいですね。シールドのあるジェットヘルメットは、出し入れが楽で普段使いも併用できるものが良いですね。
シールド無しのジェットヘルメットは、風の巻き込みが少なくなるデザインと、飛び石などに対してレンズの強度が強いものを推奨します。また、撥水性のあるレンズや夜間も使用できる調光レンズなども良いでしょう」
耐衝撃性や防塵性能も兼ね添え、米軍も使用するサングラスモデルがこちら。
INFO:商品名『ESS 5B CERAKOTE』 (アーマーブラック)、価格:¥25,000(税抜)
画像提供:株式会社ノーベルアームズ
URL: https://esseyepro.jp/
ESSの5Bシリーズは、厳格な米軍規格のミルスペックに準拠し10mの距離から撃つショットガンでも割れないバリスティックレンズを採用。また、光学性能は、アメリカ工業規格ANSI Z87.1の基準よりも遥かに高いレベルで製造され、歪みがなく高解像度でクリアな視界を提供し、長時間の使用でも眼が疲れません。テンプルアームは薄くフラットなデザインなので、ヘルメットを着用したまま装着でき、長時間使用しても圧迫感を感じません。
同じくミルスペック基準の塗料『セラコート』をフレームにコーティングした日本限定商品となる為、更に注目度の高いモデルとなっています。
INFO:商品名『Magnum 2.0 アジアンフィット』(ブルーミラー偏光レンズ)、価格:¥26,000(税抜)
画像提供:株式会社フィビック
URL: https://gatorzjapan.com/
米軍でも人気のGATORZ。フレームにはA7075 超ジュラルミンを採用し、金属ならではの上質感や軽さ・強度を持つだけでなく、しなやかさと形状記憶により誰にでも自在にフィットします。カラーレンズ、ミラーレンズ、偏光レンズ、偏光ミラーレンズ、調光レンズのラインナップに加え、偏光機能を持ち合わせつつデジタル計器の視認性を確保したOPz レンズ もチョイス可能。オプションで防風・防塵性能がアップするガスケットキットを装着することもできます。
INFO:商品名『HD SHADOW LA™ ライトアジャスティング グレイ』(調光レンズ)、価格:¥26,000(税抜)
画像提供:アトミックストア・インターナショナル有限会社
ハーレーダビッドソン公式サングラスはアメリカ陸海空軍、海兵隊の兵士達が装用するMCEP(軍用コンバット・アイプロテクション)を製造している米国ワイリーエックス社製です。軍用にも採用されている耐衝撃性能を有した高性能光学レンズSELENITE™(セレナイト)と、超弾性樹脂フレームTRILOID™を採用。飛び石を受けたり、万が一の転倒時などに衝撃を緩和拡散し破損し難い特性を持っています。また、防塵・防風効果のあるプロテクターを備えているので、シールド無しのヘルメットに最適です。
(全国ハーレーダビッドソン正規ディーラーにて取り扱い中。)
ずり落ちも心配いらず!フィット感抜群のゴーグルタイプもバイカーに人気の商品です。
INFO:商品名『No.914 ヴィンテージゴーグル』、価格:¥6,050(税込)
画像提供:株式会社山本光学
URL: https://www.swans.co.jp/
モトクロスやスキーの世界で実績を積み重ねるスワンズ。ベルトに一切ロゴが入らないシンプルな見た目のデザインで、ヴィンテージ系のシールド無しヘルメットに合わせたいのがNo.914です。モトクロス用ゴーグルと同じ厚さのレンズを装着し、飛び石等からの安全性も確保。暗すぎないスモークレンズを採用しています。
INFO:商品名『SAMURAI ELVEX LIGHT GOOGLE CAMO CLEAR』、価格:3,800円(税抜)
画像提供:ハリマ興産株式会社
URL:https://harima-kousan.co.jp/~rokkosan/samurai_eyewear/top.html
産業用の安全ゴーグルメーカー、ハリマ興産がリリースするメガネとゴーグルのハイブリット型安全メガネ、ライトゴーグルシリーズは、縁周りにスポンジフォームが付き、埃・風の侵入を防ぎます。ゴムバンドとテンプルが交換可能で、シールド無しのジェットヘルメットにはゴムバンド、フルフェイスやシールドありのジェットヘルメットにはストレートなデザインのテンプルに付け替えて使用することができます。耐衝撃性能は通常のANSI, CEに加え、米国国防総省の衝撃テストにも合格している堅牢性を持ちます。
──サングラスのお手入れはどのようにするのがおすすめですか?
「素材によりますが、基本は水洗いです。メガネ拭きの方に皮脂や水分が付いたままだとサングラスやメガネがきれいにならないので、洗濯できるメガネ拭きをご愛用ください。
また年に1回、できれば夏明けには購入店に持ち込んでのメンテナンスをおすすめします。オイルを注入したり、場合によっては分解洗浄してくれるお店もあるはずです」
選ぶもあまたのサングラス。バイカー向きのサングラスを選ぶポイントをご紹介しましたが、一番大切なのは「しっかり知識と技術のある眼鏡店でフィッティングすること」(檜垣氏)なのだそうです。個人個人、顔のカーブやまつ毛の長さ、使うヘルメットの種類や金属の錆、アレルギー対応などなど、留意すべき点は多々あります。
大切な眼を守るサングラスですから、デザインやファッション性だけでなく、機能性や身体に合ったものを選びたいですね。
Text:小林 ゆき
取材協力:Double O Glasses GEAR