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2020.03.06

世界規模のオンラインカスタムコンテスト「キング・オブ・キングス」にH-D静岡が挑戦!細部まで拘った芸術的なカスタムに迫る

2020.03.06

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世界中にあるH-Dディーラーのカスタムビルダーだけが参加できる、ハーレー ダビッドソン主催のオンラインカスタムコンテスト「King of Kings(キング・オブ・キングス)」。「Battle Of The Kings(バトル・オブ・ザ・キングス)」日本ラウンドで優勝したハーレーダビッドソン静岡(以下、H-D静岡)がアジア唯一の招待を受け、作品を完成させました。今回はその渾身の一台を、モーターサイクルジャーナリスト・青木 タカオさんに細部までレポートしていただきます。

ハーレーダビッドソン静岡

ハーレーダビッドソン静岡店内店内に足を踏み入れると、バトル・オブ・ザ・キングスの歴代優勝車が。

広い店内には最新のアパレルが並びます。

世界文化遺産の三保の松原までおよそ30分。カスタムコンテストでの輝かしい成績は、創業62年という圧倒的な経験と実績で得た高い技術力と豊富なノウハウによるもの。H-D静岡スタッフ一同、アットホームな雰囲気を意識しながらも常に向上心を忘れることなく、各種情報をアップデートし続けている。そういった些細な事に怠らずに励んでいるのも、同店の強みと言えるでしょう。質の高い整備・修理技術を持つ熟練度の高いスタッフが、安心で快適なハーレーライフをサポートしてくれます。

フォーティーエイトに施された繊細な芸術

H-D静岡が世界一を目指してビルドアップしたカスタム『Melville(メルヴィル)』。世界各国でそれぞれNo.1に選ばれたディーラーたちの中から、本社より招待を受けたのは12カ国15店舗のみ。アジア圏から唯一のエントリーとして、H-D静岡のメルヴィルが頂点に挑みます。

フォーティーエイト(XL1200X Forty-Eight™)』タンクに施された黄金のリーフ柄は、伝統的な彫金のように繊細かつ大胆で、オリエンタルなムードが漂います。フューエルタンクはモーターサイクルの“顔”ともいえる重要なパーツ。

ハーレーダビッドソン静岡が手掛けたフォーティーエイトカスタムのMelville

よく見ると、H-Dロゴである通称“バー&シールド”が規則的に並んでいるのがわかります。これが光の加減ではっきり姿を現したり、影になって隠れたり、ちょっとしたギミックになっていて、見る人を魅了します。このたいへん手の凝ったペイントが、サイドカバーや前後フェンダーにも同じように施されています。

伝統的な彫金のように繊細かつ大胆で、オリエンタルなムードが漂うフューエルタンク

そのバイクの印象を決定づけると言っても過言でなく、ただでさえ視線が向きますが、この芸術品のような美しさには、誰もが心惹かれるのではないでしょうか。

「バトル・オブ・ザ・キングス」で2年連続優勝。H-D静岡ディーラーの作品へのこだわり

H-D静岡フロアマネージャーの渡辺 廣彬さん。

神話をモチーフにしたグラフィックス。時代も国境も超越している。

気になるのは“Melville”というネーミングですが、フロアマネージャーの渡辺 廣彬さんは「白鯨」や「オムー」などの作品で名高いアメリカ文学を代表する作家、ハーマン・メルヴィルに由来すると教えてくれました。代表作であり、映画化もされた「白鯨」は旧約聖書からの引用も多い神話です。渡辺さんはこう言います。

「神話的で壮大な物語として知られていることから今回用いてみたに過ぎず、特に深い意味はありません。“メルヴィル”という音がバイクに馴染んでカッコイイなって思ったんです。モチーフを神話にし、アラベスク文様のデザインを取り入れました」

アジア代表のプレッシャーは大きかったと、渡辺さんは語ります。そこで辿り着いたのが、東洋的な文様。アラベスクつまり“アラビア風”。モスクの壁面装飾などに見られるイスラム美術の様式で、幾何学的そして植物や動物がモチーフになることが多い。アジア唯一という重圧から出たアイデアでした。

ノーマルホイールを“基準”にカスタムパーツが選ばれました。

キング・オブ・キングスでベース車両となっているのが、スポーツスターファミリー。フォーティーエイトは2018年のバトル・オブ・ザ・キングスで優勝した『DALI(ダリ)』でも渡辺さんはカスタムベースに選んでいます。

「あのとき、まだ続きがあるなって感じたのを覚えています。ダリは完成しましたが、メルヴィルはまた違うバージョンなのです」

ハーレーダビッドソン正規ディーラーだからこそできるカスタム

そこでまず照準を合わせたのが、スポークの付け根をカッティング加工したスプリット9スポーク キャストアルミホイールだと渡辺さんは言います。燃料タンクではなかったことが意外なので、もっとよく聞いてみました。

「ブラック塗装のなかにアルミの金属地がコントラストとして強調されているこの足まわりが存在感を示していて、ダークカスタムで重要パーツと考えました」

フロントフォークはスプリンガーフォークに換装し、取り付けステーを溶接によって5cm上げた小径ヘッドライトと絶妙なマッチングを見せました。そのままホイールも換装していくのがセオリーですが、渡辺さんはノーマルパーツを尊重することも忘れませんでした。

「フォーティーエイトのタンクもそうですが、そのモデルのいいところは活かしたいですよね。それが我々正規ディーラーのやるカスタムなんだと思っています。ホイールを基準としたので、あとはレールコレクションを追加していき、テイストを統一していくという流れですね」

ロッカーボックスカバー、ダービーカバー、レバー、ミラーなど、シンプルなデザインながら削り出し部分がデザインのアクセントとなり、アルミニウムとブラックが見事なまでに色彩の対比となっています。

随所に見せる大胆さと、ミニマムな魅力にワイルドさが融合。スプリンガーフォークとRoland Sands Design(ローランド・サンズ・デザイン)のトールハンドルバーは荒々しく獰猛なムードを漂わしますが、コンパクトなヘッドライトはガードが備わって繊細でエレガントです。ハンドル周りはスッキリとし、ミニマリズムが伝わってきます。

タンク取り付け位置はステーによって持ち上げられ、エンジンとのクリアランスをアピール。「極力コンパクトでシンプルなものを」と、エアクリーナーケースがRoland Sands Design(ローランド・サンズ・デザイン)からチョイスされているのも、ミニマムさを追求している点から考えれば必然で頷けます。

ハンドルは持ち上げられ、ワイルドなライディングポジションに設定。メーターはサイドマウントとなっていますが、ここは豪華にグレードアップし主張するのではなく、ノーマルの速度計を邪魔者と言わんばかりに車体の横に追いやっています。これなら走行中に突き上げてくるスプリングのアグレシッブな動きを、乗り手は視界の中で確かめられるはずです。

クッション厚を持たないソリッドなボバー・ソロサドルシートもハードな走りを予感させます。硬質なレザー表皮にH-Dロゴがエンボス加工され、スパルタンなムードを漂わせています。

となれば、テールエンドは大胆にカットされるべきでしょう。
切り落とされたシートレールですが、その後端は滑らかにアールを描き、メーカー出荷時からそうであったかのように美しい処理。その溶接技術には、目を見張るものがあります。

ショートフェンダーとのコンビネーションが重要となってきますが、テールエンドのスラッシュ角、短さ、タイヤのはみ出し具合、見事なまでに調和がとれています。

メッツラーのタイヤ「PERFECT ME77」も、トレッドパターンが外装の柄とマッチしていることから選ばれました。渡辺さんはタイヤも重要な“見せどころ”と考えています。地面と唯一コンタクトするパートですから、ライディングを決定づける部分。トラディショナルなムードを足もとから漂わせることに成功しているのも見事です。

ファイナルドライブもまた剥き出しにされ、『スクリーミンイーグル(Screamin’ Eagle®)』のマフラーヒートガードがさり気なくノーマルマフラーを包みます。そしてブラックパーツで統一するダークカスタムですが、そのこだわりには執念のようなものさえ感じさせます。ボルト類やブレーキディスクのインナーローターまで徹底的にブラックアウトされ、細部に至るまで真っ黒にしました。

隅々までこだわった渾身の1台!公式サイトから一般投票も受付中

一見すると、外装のカラーグラフィックスがメインのカスタムに思えますが、見れば見るほど様々な注意を払って細部にまで拘った仕上げであることが分かり、そこには膨大な手間と時間がかかっているのが把握できます。

これがH-D静岡流であり、それは日本的と言っても良いのではないでしょうか。大きなポイントとなるエクステリアも、よく見なければ整然と並ぶH-Dロゴは見つけられませんし、全体を見てもバランス重視で、強く主張するパーツはありません。いつの時代か、どこのエリアのディーラーかは分かりませんが、もしかしたらこんなハーレーダビッドソンが新車で売られていたのかもしれない、と想像してしまうカスタムにメルヴィルは仕上がっています。

世界中のハーレーダビッドソン・ファンの投票により2020年最高のカスタムを決定するキング・オブ・キングス。入賞車両は2020年4月上旬に最終審査のうえ発表・公開されます。*公式サイトからの投票は、至って簡単。ぜひ、これを読んでいる皆さんも一票投じてみてはいかがでしょうか。筆者のオススメは、アジア代表「メルヴィル」なのは言うまでもないでしょう。
*投票には名前やe-mailアドレスなどの登録が必要となります。

H-D静岡スタッフの皆さん。

Text:青木 タカオ
Photos:安井 宏充

投票はこちらから!「King of Kings」コンテスト公式サイト

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