Freedom Interview
ARTICLE

スポーツスターXL1200Sカスタムを手に入れて人生がこんなにおもしろくなるとは!?カーリー・ジラフが語る30年越しのハーレーライフ

2019.11.29

60年代の音楽に魅了され、洒脱なサウンドを響かせるアーティストが、音楽以外でのめり込めるものを知ってしまった、30年越しのハーレー・ストーリー。

カーリージラフさんのスポーツスターXL1200Sカスタム

「52歳の今年、やっとハーレーに乗れました」

「20歳のときに『30歳になったらイージー・ライダーになる!』という夢を……」

これは2019年7月5日付けで自身のTwitterに上がった文言だ。そこにはチョッパースタイルのハーレーの写真も掲載されていた。それ以上に目に留まったのは、先に続く言葉だ。

「……だいぶ遅れましたが叶えることが出来ました」

日本で1970年に公開された伝説的映画を持ち出す時点で年齢的には高めと予想できるものの、「30歳」が妙に引っ掛かり、果たしてこの人は何歳で夢を叶えたのだろうと、会うまではそこばかりが気になっていた。

アーティスト、カーリージラフさんとハーレーダビッドソン

カーリー・ジラフさんは、シンガーソングライターにして他のミュージシャンのプロデュースや楽曲提供も行うアーティストだ。美大の学生時代からベーシストとして複数のバンドで活躍。後にグラフィックデザインの仕事に従事するも、継続していた音楽活動の専念に舵を切り、現在の名義で2005年にデビューした。そして2019年の春、7枚目のオリジナルアルバム『a taste of dream』をリリース。豊かなエッセンスに満ちた洒脱なサウンドはもちろん、すべての楽器演奏やアルバムジャケットのデザインワークまで行う多才なスタイルを存分に生かした作品となった──。
というバイオグラフィーから推測できるのは、夢を叶えたのは「30歳」ではなく、比較的最近らしいということだった。
「20歳から数えたら30年以上もかかった52歳の今年、やっとハーレーに乗れました」などと照れ笑いを浮かべつつ、「実はピーター・フォンダと身長が同じ」が自慢の長身痩躯のアーティストは、少年が初めての恋に戸惑うような顔でこんなことをつぶやいた。

「50歳を越えて、音楽以外でのめり込むことができるものが見つかるなんて……」

頭の中はバイクが95パーセント

カーリーさんが20歳のときと言えば、およそ80年代後半。その時点で『イージー・ライダー』は過去の作品となっていたが、テレビの深夜放送で断片的に見ていた名画を、「ふと一度はちゃんと見ておくべき」と思い、レンタルビデオ屋に向かったそうだ。

カーリージラフさんが語るハーレーライフインタビュー

「高校生の頃から何となくバイクに興味があったんです。それでバイクの印象が強いイージー・ライダーが気になったところもあったのだけど……、カルチャーショックでしたね。こんなに凄い映画だったのかと。特に、当時も今も大好きな60年代音楽との融合にしっかりハマってしまいました」

その世界観を自ら体現するためにハーレーが不可欠と考えたものの、免許すらない大学生には高嶺の花だったので、手に入れるまでに10年の猶予を与えた。それが冒頭に掲げた夢。けれど叶えたのは相当に後年。ではなぜカーリーさんは(ずいぶん)大人になってからハーレーを引き寄せたのか?

「音楽一辺倒になってからはバイクのことをすっかり忘れていたんです。そんな49歳になったある日、身体のメンテ用にと自転車で通っていた接骨院までの道中に教習所があることに気付いたんです。いや、通い慣れたいつもの道なんですよ。なのにまた、ふとバイクに乗りたかった気持ちがよみがえって、2月の寒い時期なのにすぐに申し込みました」

カーリージラフさんの愛車、スポーツスターXL1200Sカスタム

五十路目前にも関わらず、若かりし夢の実現に向き合えたのは家庭の事情もあった。

「嫁と娘はLAで暮らしていまして、いわば僕は逆単身赴任でこっちにいて、仕事以外の時間はすべて自分のために使える状況でした。だからいきなり毎日教習所通い。おかげで最短で中型二輪免許が取れました」

そのまま大型二輪免許講習を続ける手もあったが、すぐに乗りたい思いが勝り、そこから2年は国産中型モデルを相棒にした。

「うれしかったですね。時間が許す限り、雨と雪が降らなければバイクでした。唯一残念だったのは、バイクへの思いを語り合える仲間がいなかったこと。その反動と言うべきか、乗り始めの頃に受けた音楽関連の取材で、頭の中はバイクが95パーセントと答えて引かれたことがありました。残りの5パーセントで音楽やってるのかってね(笑)」

ハーレーに乗って知った、20歳では想像できなかった楽しみ

暇があればのぞくスマホはバイク情報ばかり。高校生以来の専門誌も隅まで読み漁る始末。恋の成就に時間がかかった分だけ、熱い気持ちは膨らむ一方だった。その熱が2年を経て周囲に伝わったのか、カーリーさんのもとに「知人が2000年型XL1200Sを譲る」という吉報が届く。

「すぐに大型教習へ! バイクに関する行動力は自分でも驚きますね。やっぱりイージー・ライダーで見たチョッパースタイルにしたくてショップにカスタムを依頼したのですが、仕上がる前に免許が取れちゃいました」

カーリージラフさんのスポーツスターXL1200Sカスタム

カーリージラフさんのスポーツスターXL1200Sカスタムのタンク

カーリージラフさんのスポーツスターXL1200Sカスタムエンジン部分

初恋の相手と呼ぶべき30年越しのハーレーをついに自分のものとして、果たしてどんな感想を抱いたのだろう。

「まず感じたのはトルクの余裕。それまでの国産中型とは比べものになりません。それからエンジンの音。以前はバイクに乗るとイージー・ライダーのサントラが耳の奥で響いていましたが、今は自然とハーレーの響きを聴いてしまいます。ベースアンプも大きくなると低音が出てくるのと同じように、サウンドにもハーレーならではの余裕を感じます。あと、ショップを通じてバイク仲間ができたのもハーレーのおかげです」

カーリージラフさんがハーレーダビッドソン2020年モデルのストリートボブにまたがる最新モデルも知ってもらおうと、2020年モデルのストリートボブを用意。タイトなシルエットのボバースタイルにカーリーさんは「ハンドル位置が僕にちょうどいい!」

ハーレーダビッドソン2020年モデルのストリートボブ「ABS付いているんですか?」「クラッチレバー、軽っ!」「デジタル燃料計が備わってるなんて……」ハーレー最新モデルの進化に驚嘆と溜め息が次々あふれる。

そうしてカーリーさんのバイク熱はさらに高まった。着るものは理想のセットをそろえ、なおかつ人生初体験のキャンプも自身のハーレーで実行する計画を立てている。「シーシーバーはそのために付けた」や「テントは自宅ですでに張ってみた」等々、新しい夢について語りたいことが次々溢れてくるようで、おそらく現在の脳内バイク配分はほぼ100パーセントなのではないかと思えてくる。

「かなり遅いデビューになったとは言え、この年で乗ってよかったと感じることもありますよ。コーナーを攻めてやろうとか、ウィリーに挑戦しようとか、若いときなら一度は試しそうな挑戦にまったく興味が沸かないんです。ただひたすら、ゆっくり楽しめればいい。事故でも起こそうものなら仕事関係や家族に迷惑かけるだけですものね」

カーリージラフさんがハーレーダビッドソン2020年モデルのストリートボブにまたがった感想『ミルウォーキーエイト(Milwaukee Eight®)』エンジンを仰ぎ見て一言。「1746㏄のパワーは想像もできないけれど、跨った感じには親しみがありますね」

ところで離れて暮らしている家族には、免許取得やハーレー購入はどう伝えたのだろう?

「すべて事後報告。夏に家族たちが戻ってきたときには、これから乗ってきま~すとそっと出かけたりしてね(笑)。けれど嫁は僕の”彼女“と認めてくれています。何だろう、精神安定剤のようなものかなあ。今後ハーレーが音楽活動にどんな影響を与えてくれるかはわからないけれど、音楽と違う脳を使って気分転換ができている点で、たぶん家族は理解してくれていると、そう思いたいですね。それにしても、家でハーレーをつまみに飲めますからね。もう毎日楽しくて仕方ない。この年で人生がこんなにおもしろくなるとは思いませんでした。20歳の自分に言ってやりたいですね。『おまえ、だいぶ遅れるけれど、ちゃんと夢を叶えたよ』ってね。」

カーリージラフさんの愛車、ハーレースポーツスターXL1200Sカスタム

車両:ストリートボブ(FXBB Street Bob®)
Text:田村 十七男
Photos:安井 宏充

Curly Giraffe

学生時代からベーシストとして数々のバンドで活躍。美大中退後、グラフィックデザイナーとして仕事をするかたわら続けていたバンド活動が忙しくなり、音楽活動に専念。いくつかのバンドでメジャーデビュー後も、ベーシストとしてのサポート、他アーティストのプロデュース、楽曲提供など多岐に活躍。
2019年4月に5年振りとなる待望のニューアルバム「a taste of dream」をリリース。
そしてこの11月20日に、2019年6月13日に行われたLive音源をデジタルリリース、また、ニューアルバム『a taste of dream』がキャリア初アナログ化された。
HP:curlygiraffe.com
Twitter:@curlygiraffenet
Instagram:curly_giraffe

PHOTO GALLERY

HARLEY-DAVIDSON JAPAN

FOLLOW US!!

NEW ARRIVALS