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人気の“カフェレーサースタイル”をクローズアップ!現代流にアレンジされた、最新カスタムモデルも登場

2017.02.17

「ちょっと気晴らしに、オートバイに乗ってこようか……」
ライダーなら誰もが日々苛まれるこの心情、それは今に始まったことではない。いつの時代も、思い立ったら走り出す。それがバイク乗りの性分であり、やめられない習慣の一つ。休日の早朝から、山や海へツーリングに出掛けるのももちろん素晴らしいが、夜のふとした瞬間にひとりヘルメットを持って駆け出すのも最高の気分転換。老若男女を問わず、バイク乗りは皆それを知っている。

カフェレーサー誕生のヒストリー

ミラノで撮影したカフェレーサー達。

そうやって走っていると「ちょっとカフェで一服」、なんて気持ちが生まれる。カフェとオートバイ、それは昔から切っても切れない関係だ。バイク好きがどこからともなく集まって、そこでまた新しい仲間ができたりする。昔はそんなカフェがたくさんあったが、今でもまだまだライダーの溜まり場は存在する。

H-Dマルセイユで見かけた現代のカフェレーサースタイルのカスタム

カフェからカフェへと、スピードを競った公道レーサーまがいの若者たちを「カフェレーサー」と最初に呼んだのは、50〜60年代のイギリス・ロンドンだった。
24時間営業をしていた『ACE CAFE』に集まるバイク乗りたちは、「ROCKERS」とも呼ばれ、ジュークボックス・ランに明け暮れたという話も残っている。それは店のジュークボックスにコインを入れ、曲が終わるまでの間にカフェに戻ってくるという熱狂的な公道レース。真相は定かではないが、若者たちが行き場のないフラストレーションをオートバイで発散していたのは事実だろう。レザージャケットに身を包む彼らは髪をグリースで固め、アメリカ生まれのロックンロールやロカビリーをこよなく愛した。

スピードとロマンが詰まったカフェカスタム

給料を注ぎ込めば誰でも手が届くまでにモーターサイクルが普及した頃、アウトローな魅力を醸し出し、スピードというロマンを追い求める“カフェカルチャー”は、世界中のバイク乗りたちの共感を得るようになった。ライダーが集まるカフェに自慢のマシンで乗りつけ、一息入れるのが彼らの流儀となり、乗っているバイクのカスタムも重要だった。当時のグランプリレースを走るレーシングマシンからヒントを得た、より過激なスタイルである。

まず、ハンドルは低い位置にセットされる通称「セパハン=セパレートハンドル」が主流。その名のとおり左右のグリップが独立していて、フロントフォークのアウターチューブに直接クリップオンされて取り付けられるのが大きな特徴だ。
ライダーは極端な前傾姿勢となり、前屈みになってバイクを操る姿はまるでサーキットを走るロードレーサーのよう。1本のバーハンドルタイプしか市販モデルではまだ装着されていなかった時代に、セパハンはカフェカスタムの象徴でもあり、若者たちが憧れる当時のレーシングスタイルをそのまま具現化していた。

欠かせないカスタムはそれだけではない。「バックステップ」がなくては、カフェカスタムとは言えなかっただろう。ハンドルを下げて前傾姿勢となったライダーが、窮屈にならず両足を置くことができるポジションは、フットコントロールを大きく後方に下げた位置。コーナーで車体を大きく傾けた際に、ステップが地面に接地し走行の妨げにならないという利点もあり、これもまたサーキットからフィードバックされたものだった。
速さ、過激さを追い求め、自らのオートバイをカスタムし、カフェに集う彼らにとって、セパハンとバックステップは自らのスタイルを表現するアイコンでありシンボル。いつしかそれはひとつのジャンルとして確立していき、時代や国を超えて受け継がれていくことになる。

洗練された、現代のXLCRへ

トレンドを見逃さないハーレーダビッドソンは、1977年に『カフェレーサー(XLCR CAFE RACER)』をリリースし、2年間に3,133台が生産された。黒で統一された車体に、ビキニカウルや細長く四角いガソリンタンク、シートカウルを備えた斬新なスタイルは、ハーレーダビッドソンが出したカフェカスタムに対する1つの答えでもあった。現在でもマニア垂涎のモデルとなっているのは、ハーレー乗りの間ではあまりにも有名だ。
カフェレーサーのオーナー紹介はこちら。

限定200台、発売決定!

そんなカフェカスタムが今、欧州を中心に再びクローズアップされ、カスタムシーンで人気を集めている。ハーレーダビッドソンも、限定200台にて『ロードスター・カフェカスタム・コアパッケージ(Roadster™ Café Custom)』が2月14日より税込み189万円(ビビッドブラックの場合)〜で発売。ハーレー史上初となるセパハン、バーエンドミラー&グリップ、そしてバックステップを装着したキットバイクだ。

ミラーをグリップエンドに装着するのは、タイトなライディングポジションでも後方の視界をより確保するための工夫で、これもまた往年のスタイルを髣髴とさせる。そしてその走りは、現行モデルのXL1200CXロードスターがベースとなるだけに、期待してもいい。

ハーレーダビッドソン ジャパンではその販売を記念し、3月11日(土)・12日(日)に全国の正規ディーラーで『ロードスター・カフェカスタム・フェア』を開催。「カフェカスタム・コアパッケージ」装着車を間近で見ることができ、店頭で見積もりをするとオリジナルのタンブラーをプレゼントする予定だ。

※写真のモデルには、保安基準不適合部品および日本非導入商品が装着されている場合があります。

そしてハーレーのカフェカスタムは、これが終わりではない。さらなるバージョンアップを叶えるパーツ&アクセサリーを、これから順次正規ディーラーが取り扱う予定だ。
どれほどのアイテムが入手可能かは未定だが、テールセクションをシングルシートカウル化するなどのフルカスタムもできるかも知れない。各パーツの詳細は、全国の正規販売店の店頭で確認していただきたい。

※走行シーンは敷地内で許可を得て撮影したものです。

アグレッシブなライディングポジションで操るXL1200CXベースのカフェカスタム。走り出せば、燃料タンクを抱きかかえるようにしているからか、Vツインの唸りや鼓動がいつも以上に感じられ、右手で握るスロットルグリップをよりワイドに開けたくなる。
駆け抜ける歓び、そしてライダーを高揚させるエキサイティングな走りがそこにあり、これがカフェカスタムの魅力だと再認識させられた。

Text:モーターサイクル ジャーナリスト 青木タカオ
Photos:安井宏充
Illustration:遠藤イズル
その他、画像提供:ハーレーダビッドソン ジャパン

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