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話題の新作Vツインの鼓動に酔いしれる!アメリカで感じたミルウォーキーエイトの乗り味

2017.01.20

アメリカ・ワシントン州タコマで昨年開催された、新作エンジン『ミルウォーキーエイト(Milwaukee Eight®)』搭載モデルのプレス向け試乗会。日本からも、モーターサイクルジャーナリストの青木タカオさんがこれに参加した。ワインディングが続くオリンピック国立公園をメインに、2日間で400 マイル(約640km)を走破したテストライドの模様をレポートしてもらう。

ついにミルウォーキーエイトのテストライドへ

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技術説明会で明らかになったミルウォーキーエイトの全貌。あとはもう実際の乗り味を確かめるだけ。浮足立っている自分の気持ちが伝わったのだろうか、テクニカルエンジニアのビル・バリさんが「さぁ、出かけよう!」と、2日間のテストライドへと誘ってくれた。

ずらり並んだミルウォーキーエイト搭載車を目の当たりにすると、足取りはもう知らぬ間に駆け足。『ロードキング(FLHR Road King®)』からか、『ウルトラリミテッド(FLHTK Ultra Limited)』からか迷ってしまうが、2日間好きなだけ乗れるのだから嬉しくて仕方がない。まずは手当たり次第に跨ってみる。

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2017年モデルのツーリングファミリーを軸に搭載されるミルウォーキーエイト。排気量は107キュービックインチ(1745cc)と、従来のツインカム103(1689cc)より56ccほど増したが、エンジンマウント部を除けばメインフレームに大きな変更はなく、車体サイズはほぼ変わらない。

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にも関わらず、足着き性が良くなっている。プライマリーチェーンケースの張り出しが抑えられ、左足がスムーズに地面へ伸びるし、ライディングポジションをとったとき、エアクリーナーケースと右足とのフィット感が上がっている。

Vツインならではの鼓動に酔いしれるツーリング

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そして、ついに火を入れた。強化されたセルモーターと新採用のツインスパークシステムによって間髪入れずに新生Vツインが目覚めると、感動すら覚えてしまったのだから我ながら少々気恥ずかしい。1909年以来脈々と受け継がれるハーレーダビッドソンのVツインの歴史に、また新しい時代がやってきたと感慨深くなってしまったのは大袈裟だったかもしれないが、日本のジャーナリストとして最初にミルウォーキーエイトに乗ることができたこの瞬間は、きっと10年後、いや30年後も忘れることはないだろう。またいつか、次のVツインエンジンに伝統のバトンが託されたときも、この日のことを思い出すに違いない。

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そんな風にひとり感情を高ぶらせているライダーをよそに、ミルウォーキーエイトはアイドリングをすぐに落ち着かせ、850rpmという低い回転でギヤが1速に落とされるのを待っている。ツインカム103時代のアイドリングは1000rpm強だったから、随分と低くなった印象。ジェントルで耳障りが良く、迫力も増している。

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クラッチをミートさせ、アクセルを開ければ、あとはもうVツインならではの鼓動に酔いしれるだけだ。日本とは逆の右側通行であることに気を付けつつ市街地をノンビリ流せば、大きく感じた車体はもう自分のコントロール下にある。

鉄馬=アイアンホースと例えられるハーレーダビッドソンだが、これは走り出した途端に人車一体となった感覚が味わえるからだろう。過激すぎない扱いやすいエンジン特性、操作性の高い前後連動式のABSブレーキ、路面やタイヤからのインフォメーションを得やすい足まわりが持ち味となって、愛馬と走るような感動体験が得られるのだ。

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従来比10%のトルクアップは低回転域から実感でき、高回転まで引っ張り上げることなく車体を力強く加速させていく。1500rpmでもノッキングなどせずに潤沢なトルクを発揮し、忙しないギヤチェンジを必要としない。制限速度70mph(約113km)という、日本の高速道路よりも流れの速いハイウェイに上がってからも、ミルウォーキーエイトは低中回転域だけで余裕のクルージングをもたらしてくれた。アメリカならではのとてつもなく長いトレーラーを追い抜くのも、アクセルを一捻りするだけであっという間に前へ出ることができるから、ゆったりとした気持ちのまま距離をどんどん稼いでいける。

抜群の乗り心地の2017年式ツーリングファミリー

ビルさん率いる先導チームは、コーナーが続く山岳路もハイペースを保ったまま我々を引っ張っていくが、2017年式のツーリングファミリーは無理なくワインディングを駆け抜けていくことができた。グレードアップされたのはエンジンだけでなく前後サスペンションもで、これがスムーズなハンドリングとシャープな旋回性を生み出すことに貢献している。

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ハイスピードのまま段差を乗り越えても衝撃はすぐに吸収されるし、旋回時にサスペンションに負荷がかかってもしっかり踏ん張る。それでいてしなやかに動き、低重心の車体と相まって、粗いアスファルトに砂が浮くスリッピーなアメリカの道でも、路面をしっかり捉えてはなさない。

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2017年式ツーリングファミリーは、新作エンジン『ミルウォーキーエイト』の搭載だけでなく、足まわりも強化され、総合的にロングライドでも疲れにくいコンフォート性の高さ、乗り心地の良さを実現していることが400マイルに及ぶこの試乗で良くわかった。

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広大な大陸を国土に持つアメリカ。そこで生まれ育まれたハーレーダビッドソンは、長い旅の相棒として選ばれることを前提に開発されており、ビルさんは今回のミルウォーキーエイト開発にあたって「ユーザーからの要望を反映した」とアピールする。ユーザーが求めていたものとは、こうした距離をいとも簡単に走りきってしまう性能であり、それは数値で示せるような絶対的なパワーでもなければ軽さでもない。

「もっと遠くへ」と、どこまでも走り続けていられるような味わい深さ、快適性能、タフさが共存していて、乗り手を未知なる旅へと誘ってくれる不思議な魅力にハーレーダビッドソンは包まれている。試乗後、ビルさんに「身体のどこにも疲れを感じなかったし、400マイルでは物足りない。もっともっと走りたい!」と告げると、彼は頬を緩め大きく頷いた。

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ミルウォーキーエイトに興味を持たれたのなら、帰国後の日本での試乗レポート「新作エンジン、ミルウォーキーエイトを北の大地で味わい尽くす」もぜひお読みいただきたい。泊まりがけのツーリングに出かけても荷物をしっかり載せることができる収納力や、タンデムでの長距離ランが得意なことも大きな魅力で、CVO™(1846ccの特別仕様車)を含め伝えたいことはまだまだたくさんある!!

PHOTO GALLERY

Text:モーターサイクル ジャーナリスト 青木タカオ

HARLEY-DAVIDSON JAPAN

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