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Forty-Eight のネーミングのルーツを紐解く、燃料タンクで辿るスポーツスター

2017.09.08

カフェレーサールックに合うロングタンク

1977年の『XLCR』には、専用のロングタンクが備わっています。カフェレーサールックによく似合う細長いフォルムに特徴的なくびれがあり、バー&シールドのエンブレムが誇らしげに貼られました。
70年代のスポーツスターは容量8.5リットルの燃料タンクを標準装備していますが、『XLCR』には15.1リットルのガソリンを入れることができたのです。

1977年式のXLCR

時代と共に変化し続ける燃料タンク

1984年の『XLS Roadster』にはタンク上にメーターが配され、FXシリーズのようなスタイリングになっています。スポーツスターとしてはたいへん珍しいです。

1980年代前半のXLS Roadster

写真は1986年の『XLH1100 Sportster』。やはりタンク容量は8.5リットルです。この2.2ガロンタンクは長きに渡って使われていましたが、78年までの「Kフレーム」用、79年以降の「CRフレーム」用、83年以降の「XLXフレーム」用では、それぞれに取付ステーが異なりますし、95年以降はコックが左側に移り、負圧式となっています。

1986年式のXLH1100 Sportster

写真は1988年式のXLH1200。86年式からのエボリューション-スポーツスターエンジンの排気量は当初1100ccと883ccでしたが、この年式より1100がボア×ストローク=88.8×96.8mmの1200ccとなります。フロントフォークもインナーチューブ径を35mmから39mmに拡大しました。

1988年式のXLH1200

受け継がれるスポーツスターのフォルム

12.5リットルに容量を増やした燃料タンクは1995年の『XLH1200』を皮切りに、97年にはスポーツスター全モデルで採用されました。
ツーリングユースからの燃料タンク容量アップの要望は昔からあり、80年代から大きいタンクを備えたスポーツスターが度々登場しています。80年代半ばからは、純正アフターパーツとしても売られていたそうです。
写真は2003年式の『2003XL883C』で、H-Dカンパニーの100周年を記念した限定カラーが施された年式です。

2003年式の2003XL883C

4カム、一体式ミッションなど、スポーツスターの車体構成はレーシングトラックをルーツにするものですが、2002年に登場した『XL883R Roadster』のタンクグラフィックはチェッカーフラッグをモチーフとしたもので、H-Dワークスチームカラーのレーシングオレンジといい、そのスピリッツを具現化したものでした。

2002年に登場したXL883R Roadster

フレームを一新した2004年モデルから、17リットルと大幅に容量を増やしたストレッチタンクが登場し、『XL1200C Custom』と『XL883C Custom』に採用されました。航続距離を飛躍的に伸ばす革新的なタンクで、現行モデルにも受け継がれています。

2004年式のXL1200C

シャシーが見直されても、スポーツスターのシルエットは変わりません。容量12.5リットルの燃料タンクは2004年式以降も受け継がれ、伝統のフォルムをそのまま現代に残しています。写真は2004年式XL1200R。

2004年式のXL1200R

2007年にはスポーツスター生誕50周年を記念した『XL50 50thアニバーサリーエディション』が発売されました。この年にキャブレターだった吸気機構を全モデルでフューエルインジェクション化し、タンク内に燃料ポンプを内蔵します。

XL50 50thアニバーサリーエディション

珠玉のペイント、ハードキャンディーカスタム

2013年式のForty-Eight

そして、その衝撃は記憶に新しいところです。2013年モデルのフォーティーエイトと『セブンティーツー(XL1200V Seventy-Two)』より採用されたHARD CANDY CUSTOM(ハードキャンディカスタム)は、度肝を抜かされるカラーグラフィックでした。
ブラックベースコートに7回以上メタルフレークを吹きつけ、何層にもクリアコートを施し、ハンドサンディングを経て仕上げた珠玉のペイント。60年代後半のチョッパーカスタムシーンをルーツにしたものです。
いまではスポーツスターだけではなく、ハーレーダビッドソンのあらゆるモデルに設定され、人気を博しています。

2013年式 のSeventy-Two

H-Dカンパニーアニバーサリーエディション

2013年のH-Dカンパニー110周年アニバーサリーエディションでは、専用のエンブレムやタンクメダリオン、ツートーンカラーのシートなど、限定モデルならではの特別装備が与えられました。スポーツスターファミリーで設定されたのは『XL1200C カスタム』で、高級感のある落ち着いた雰囲気がなんといっても魅力です。

110周年アニバーサリーモデルのXL1200C

そして2018年モデルでは、115周年アニバーサリーモデルがフォーティーエイトに設定されました。イーグルおよびバー&シールドが大胆に描かれた力強いタンクグラフィックに目が釘付けとなるでしょう。描かれた“SINCE1903”という数字が、歴史の重みを感じずにはいられません。

115周年アニバーサリーモデルのForty-Eight

こうして歴代モデルを駆け足で見てきましたが、いずれもスポーツスターは大きくカタチを変えていません。その象徴が燃料タンクであり、特にフォーティーエイトはそれを強くアピールしています。

伝統を守りつつ、進化と熟成を繰り返し60年という歳月が流れました。
きっとこの先もスポーツスターは“らしさ”を失うことなく、ハーレーダビッドソンのラインナップに名を連ねていくことでしょう。

Text:モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ
スポーツスター60周年記念サイト:THRILLS

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