Touch The Freedom
ARTICLE

革新的なVツインエンジンを搭載したV-RODファミリー、その進化の歴史を追う

2017.04.14

16年前に発表され、数々の進化を遂げて来たV-RODファミリー。惜しまれながら、2016年の生産分を以て販売の終了が決定している。ハーレーダビッドソンの未来が託されたレボリューションエンジンの魅力と歴史を、モーターサイクル ジャーナリストの青木タカオさんに解説していただく。

V-RODが今年限りでカタログ落ちする……。
そのニュースを最初に耳にしたのは昨年9月、ハーレーダビッドソン ジャパンが新作エンジン『ミルウォーキーエイト(Milwaukee-Eight®)』を国内初披露した北海道でのプレス向け試乗会でのこと。ハーレーダビッドソンのユーザーであり、ファンである自分としては思わず「えっ……!?」と、声を漏らしてしまうような衝撃的なニュースであった。

新作エンジン、レボリューション搭載のV-RODが誕生

V-RODとは何か……。まず、そこから説明しよう。
発表されたのは2001年夏のこと。アルミボディの近未来的な造形の車体だけでもセンセーショナルであったが、そこに積まれていたのは最新メカニズムが満載のDOHC水冷Vツインエンジン。『レボリューション(Liquid-Cooled Revolution® )』と名付けられた完全新作のパワーユニットは、ボア100mm×ストローク72mmで排気量は1131cc、最高出力115hp/8250rpmと、その全てが驚きでしかなかった。

このV-ROD専用のパワーユニット、他モデルのエンジンとは一体何が違うのか。
まず、ハーレーダビッドソンの伝統であるVツイン(V型2気筒)であることだけは同じだが、Vの字に開いたそのVバンク角(挟角)が異なり、ツーリングファミリー用のミルウォーキーエイトを始め、ソフテイルファミリーやダイナファミリー用の『ツインカム103B (Twin Cam 103B)』、そしてスポーツスターファミリー用の『エボリューション(Evolution®)』では“45度”であるのに対し、レボリューションだけは“60度”という設計にしている。

そしてバルブ駆動方式を「DOHC4バルブ」としているのも忘れてはならない。DOHC=ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト、つまりシリンダーヘッドに2本のカムシャフトを持つことを意味し、吸排気バルブの数は4本。
これに対して45度Vツインはすべて「OHV」と呼ばれるオーソドックスな方式で、エンジンの腰下にカムシャフトを配置し、プッシュロッドを介してバルブを開閉する仕組みになっている。
少し難しい話しになったが、ついでに言及させていただくと、昨夏登場したばかりのミルウォーキーエイトは4バルブ、ツインカムとエボリューションは2バルブだ。

他にもツインボアのスロットルボディを持つシーケンシャルタイプの電気式インジェクションであったり、両シリンダー内側の吸気ストレートポート上にセットされるダウンドラフト吸気など、さまざまなテクノロジーが採用されており、説明を始めたらキリがない。
ハーレーダビッドソンとしては初の油圧クラッチが最初から与えられていたし、エンジンとトランスミッションオイルの潤滑は、従来のオイルサンプ方式ではなく、オイルタンク不要のウェットサンプに変更されている。

V-RODのルーツはレーシングマシン

当然、発揮するパフォーマンスも次元が違う。2002年モデルとしてデビューした『V-ROD VRSCA』に初試乗した際、胸の空く加速に酔いしれたことは今でも鮮明に記憶している。それまでのハーレーダビッドソンと言えば、低回転域のビッグトルクこそが持ち味であったが、V-RODのパワーバンドは高回転域へと完全にシフトされ、アクセルをワイドオープンした時のトップエンドでの伸びが段違いに刺激的だった。

新感覚で凄まじいパワーを持つ水冷60度Vツインだが、そのルーツを探るとレーシングマシンにあるのだから納得が行く。
サーキットに初めて姿を現したのは、1994年のデイトナ200マイルレース。ハーレーダビッドソンのワークスレーサー『VR1000』に搭載されていたのだ。
ボア98mm×ストローク66mmで排気量は996cc。AMAスーパーバイク選手権に2001年まで参戦したが、DOHC4バルブを始めとしたあらゆる技術をこのロードレーサーからレボリューションエンジンは受け継ぐ。つまりV-RODは、レース参戦で培われたレーシングテクノロジーを満載にしている。

もちろん、ロー&ロングが際立つシャシーも専用設計で、水圧を利用したハイドロフォームドという製法が用いられた大径スチールパイプ製ダブルクレードルフレームを骨格に持つ。
燃料タンクはシートの下に設置され、エンジンの上にはエアクリーナーボックス上部を覆うカバーとして機能するダミータンクが装着されている。

変化しながら進化を遂げるV-RODファミリー

V-RODはその後、バリエーションモデルを次々と加えていき、2006年モデルでデビューした『ストリートロッド(V-ROD VRSCR)』は倒立式フロントフォークを備え、走りのポテンシャルが一段引き上げられたモデルであった。
剛性の高い10本スポークのキャストホイールや、ワークスイメージのオレンジカラーを身にまとっていたことに加え、フォワードステップを後退させたところも人気の要因だ。

ビキニカウルを備える『ナイトロッド(V-ROD VRSCD)』が2006年モデルで発売されると、翌年には『ナイトロッドスペシャル(VRSCDX Night Rod® Special)』として再デビュー。この時、V-ROD全モデルで燃料タンクの容量を増やし(14.38→18.9L)、240mmという超ワイドタイヤをVRSCDXとVRSCAWがリアに履いている。

2008年モデルではボアを100mmから105mmに拡大し、排気量を1131ccから1246ccにスケールアップ。スリッパークラッチとABSもこのときから採用した。写真はH-D105周年記念カラーの『V-ROD VRSCAW』。

そして2017年モデルでは、V-RODファミリー15年の歴史でラインナップに最も長く名を連ねたモデルとなるナイトロッドスペシャルと、力強い筋肉質なボディを持つ『V-RODマッスル(VRSCF V-Rod Muscle®)』の2モデルが選べる。
これがラストチャンス。もう迷っている時間はない。

Text:モーターサイクル ジャーナリスト 青木タカオ
画像提供:ハーレーダビッドソン ジャパン

Information

「IT’S NOW OR NEVER – 2017 S-SERIES & V-RODファイナルエディション」キャンペーン開催。全国のハーレーダビッドソン正規ディーラー店頭でV-RODを始めとした対象モデルを見積りしていただくと、V-RODとS-SERIESの両面ポスターをプレゼント。
https://h-d.jp/campaign/sv_final/

PHOTO GALLERY

HARLEY-DAVIDSON JAPAN

FOLLOW US!!
PREV

POPULAR RANKING

NEXT

NEW ARRIVALS