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洗練されたスタイルにハイパワーエンジンを搭載した2017年型Sシリーズの魅力に迫る!

2017.04.11

昨年ハーレーダビッドソン ジャパンが、Sシリーズを2016年の生産分を以て販売終了とすることを発表した。ハーレーダビッドソンにとって特別な存在であるこのシリーズを、モーターサイクル ジャーナリストの青木タカオさんに解説していただいた。

地面をリアタイヤが力強く蹴飛ばすかのような猛ダッシュ。
スロットルグリップを握る右手と駆動輪が直結したかのような鋭いレスポンスを見せるVツインエンジンは、スタンダードモデルに搭載された標準仕様のパワーユニットより排気量を増しリチューンした、まさに「スペシャル」なモーター。後続車をあっという間に置き去りにする、この強烈な加速力こそが「Sシリーズ」の一番の魅力だ。

Sシリーズとは

冒頭から結論を言ってしまったが、丁寧に説明していこう。まず、「Sシリーズ」とは何か……。
ハーレーダビッドソンのラインナップはファミリーごとにカテゴライズされているのだが、「Dyna®(ダイナ)ファミリー」と「Softail®(ソフテイル)ファミリー」の一部機種には、スペシャル仕様となるSシリーズが設定されている。
何が違うのかというと、両ファミリーの標準エンジンはボア98.4mm×ストローク111.1mm、排気量1689ccのパワーユニットだが、Sシリーズではストロークをそのままにボアを101.6mmに拡げ、1801ccにスケールアップしているのだ。

不屈の名車、ローライダー S

Sシリーズには3機種あり、その中でもスポーティさに最も磨きをかけているのが『ローライダー S(FXDLS Low Rider® S)』。ネーミングを聞いて、ピンと来る人はハーレーダビッドソンのことをよく知っている。そう、元々のベースとなったのは、あの不屈の名車『ローライダー(FXS Low Rider®)』である。

指名買いする人も多いローライダーは、ダイナファミリーに属している。「ダイナフレーム」というシャーシに、伝統的な空冷Vツインエンジンをラバーマウントによって搭載しているのが特徴だ。ラバーマウント、つまりゴムの緩衝材を入れて振動対策をとっているので、アイドリング時にはエンジンがブルブルと激しく震えているのが見える程だ。自身の股ぐらで生き物のように身震いするVツインエンジンを覗き込むのが、ダイナ乗りの楽しみの一つだと言ってもいいだろう。

そんな少しマニアックな話はさておき、1977年にデビューした初代ローライダーは発売と同時に大ヒットし、現在でもマニア垂涎のプレミアムモデルとなっている。そのフォルムやムードをそのまま受け継いでいるのが、2017年モデルの『ローライダー(FXDL Low Rider®)』。キャストホイールやヘッドライトバイザー、フロントのダブルディスクブレーキ、燃料タンクの上に配置されたツインメーターなど、当時のアイコンが最新モデルにもしっかり残っているから感激せずにはいられない。ハーレーダビッドソンの魅力は伝統のVツインエンジンはもちろん、こうした特徴的なディテールを長きに渡って受け継いでいることも忘れてはならない。

そのローライダーをモディファイしたのが、ローライダーS。これでようやくSの話しに辿り着いた。
Sでは装いを大胆に一新し、全身を細部に至るまでブラックアウトしている。これは「ダークカスタム」という手法で、ワイルドなスタイリッシュさが若いライダーにも人気を博している。エンジンのシリンダーフィンやプッシュロッドカバーなどごく一部のパーツに上質なクロームを用いて、美しいコントラストが楽しめるように仕上げられているのもポイントだ。

さらに前後足まわりをマグナムゴールドのキャストホイールで引き締め、フロントマスクの表情を一気に戦闘的なものに変えるスピードスクリーン、取り回しの美しい専用のエキゾーストシステム、シンプルなソロシートに前後フェンダー、ウインカー一体型テールランプを装着。スタイルのテイストはベースモデルのローライダーとはまた異なるもので、これは「クラブスタイル」と呼ばれるカスタムトレンドを反映したものだ。

乗る程に味わい深いソフテイル スリムS

そしてSシリーズはあと2台ある。ソフテイルファミリーの『ソフテイル スリム(FLS Softail Slim®)』をベースにした『ソフテイル スリムS(FLSS Softail Slim® S)』。そして『ファットボーイロー(FLSTFB Fat Boy™ Lo)』をモディファイして生まれた『ファットボーイS(FLSTFBS Fat Boy™ S)』である。

ソフテイルフレームではラバーマウントを採用しないので、エンジンがブルブル震えることはない。リアショックが車体の下に隠すように配置され、ロー&ロングなフォルムを演出しているのだが、この低重心で落ち着いたムードはソフテイルファミリーならではのもの。シート下のオイルタンクといい、分割式時代を彷彿させる燃料タンクといい、クラシックなムードが色濃く漂っている。

オリーブグリーンの燃料タンクにホワイトスターをあしらったソフテイル スリムSは、ミリタリーテイストを全身から発しているが、これは50年代のボバーカスタムにインスピレーションを受けたもの。当時、軍用モデルを払い下げた若者たちはガレージでフェンダーを切り落とし、シートをソロにしてレースにエントリーした。
そんな時代へのオマージュとも言えるこのマシンは、未舗装路に対応するハンドルブレースを再現するなど、ディテールに至るまで妥協がない。乗る程に味わい深い、クラシックボバーである。

世界中で大ヒットしたファットボーイ S

最後に紹介するのはファットボーイS。もしかすると若い読者には通じない話題かもしれないが、1991年のアメリカ映画『ターミネーター2』で、アーノルド・シュワルツェネッガーがライドしたこともあって、世界中で大ヒットモデルとなったファットボーイ。ハンドルもタイヤも車体も何もかもが逞しく、その力強いスタイルはそのまま現代にまで継承されている。
ファットボーイSは全身をブラックアウトされた、ダークカスタム。筋肉質なボディを黒で統一することで類を見ない迫力あるフォルムとし、現代版に洗練されたファットボーイ史上最強のマシンとなったのだ。

ソフテイル スリムSとファットボーイSにはオートクルーズコントロールが搭載され、高速巡航やロングライドでの快適性を高めている点も見逃せない。また両車ではクラッチを油圧化し、コントロール性を向上した。
よりパワフルなエンジンによってライディングがますますエキサイティングになり、エクステリアもワンランク上といった感がある。それがSシリーズの本質だ。

語り継がれるハーレーダビッドソン Sシリーズ

そんな3台の2017年型Sシリーズだが、実は販売終了が確定しているから寂しいとしか言いようがない。筆者はローライダーSが2016年春に登場した時、いち早く本国アメリカのメディア向け試乗会に参加し、「これほどにスポーティで、エキサイティングなハーレーダビッドソンの大排気量モデルがかつてあっただろうか」と、興奮を抑えきれなかったことを今でも忘れられない。南フランス・プロヴァンスのワインディングをSシリーズで駆け抜けたのも、思い返すだけで手に汗握る体験だ。近い将来、きっとSシリーズは、ローライダーやファットボーイのような伝説となって語られることになるだろう。

information

現在、全国のハーレーダビッドソン正規ディーラー店頭でSシリーズを始めとした対象モデルの見積もりをするとオリジナルポスターをプレゼント。このチャンスをお見逃しなく。 https://h-d.jp/campaign/sv_final/

Text:モーターサイクル ジャーナリスト 青木タカオ
画像提供:ハーレーダビッドソン ジャパン

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