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プレミアムな極上サウンドが代官山T-SITEを彩ったFREE[ER] WEEKEND in TOKYOレポート #02

2018.11.07

熱狂は続く。“Hit the Town”と名づけられたDay2のはじまり

第2日目の10月14日(日)もまた、早くから入場整理券を求める列が伸び、早々に配布を打ち切るほどの盛況ぶりだった。“Hit the Town”と冠されたこの日の出演者は、The ManRay、Rei、Kan Sanoという気鋭のミュージシャン3組。ロックあり、ブルーズあり、メロディアスなジャズありの盛りだくさんなステージとなった。

どこかインテリジェンスを感じさせるガレージロック

2日目のトップバッターはThe ManRay。ギターとボーカルのTakuro Asato、ベースのKo Koga、ドラムのRyosuke Okiからなるスリーピースバンドだ。

ドラムのリフから始まった一曲目は、セカンドEPのアルバムタイトルにもなっている「Fly To The Moon」。メジャーキーだけどどこか気だるさを感じる曲で、初っ端からThe ManRayらしさを醸しだす。

間髪入れずに2曲目の「Alright Man」へ。ビートルズっぽいギターリフから始まるこの曲。The ManRayの曲の歌詞はほぼ全編が英語なのだが、サビに偉大なる先人の曲のタイトル“because I love you”が練り込まれるあたり、初めて聴いたとしてもニヤリとしないわけにはいかない。

ハーレーダビッドソン・プレゼンツの夕刻のためにチョイスされたであろう3曲目は、西海岸の夕暮れの匂いがする「Ride My Car」だ。少し気だるいフィーリングはThe Doorsリスペクトなのだろう。CDにはRiders On The Stormの有名なローズのリフっぽい音が織り込まれていて、またしてもニヤリとするのであった。

今年からスリーピース体制になったということで、さらにシンプルな音数となりガレージロックらしさが増しているThe ManRay。レッチリをはじめとする90年代、00年代ロックだけでなく、60年代から00年代まで幅広くロックの文脈をバックグラウンドに従えているあたり、インテリジェンスを感じるスタイルとなっている。

会場の場所柄、あまり大きな音は出せないということで、アコースティックっぽく控え目の音質と構成で表現していた彼らだが、エンディングに向かって徐々にスロットルを捻りはじめた。

「Hallelujah」「You Will Be Mine」のミドルテンポからラストはややアップテンポの「Sea Side Motel」へ。ボーカルとベースラインがメロディアスに呼応しあい、聴きどころ満点の一曲だ。突如として脳を覚醒させる日本語歌詞もまたアクセントになっていて、アップテンポでドラムが踊るエンディングまで、抑揚から解き放たれたThe ManRayの “Lazy Rock”が心地よさを誘った。

The ManRayコメント
「会場に合わせて普段はガッといくところを音を絞るいつもと違うスタイルでやったんですが、これはこれで新鮮で楽しかったし皆さんにも楽しんでもらえたかと。」(Ko Koga)
「音の制限はありつつもイベントテーマにもある『自由』な感じで演奏しました。普段自分たちのライブでは聞いたことのない手拍子まで頂きアリガトウございました(笑)」 (Ryosuke Oki)
「(『FXDR™️114』との撮影で)スポーティでカッコいい! いつかは乗りたいですよね」(Takuro Asato)

[Set List]
1, Fly To The Moon
2, Alright Man
3, Ride My Car
4, Halelujah
5, You Will Be Mine
6, Sea Side Motel

Reiが思い描くロードシーンへの誘い

キュートなルックスと歌声からは想像もつかないパワフルなギタープレイで魅了するシンガーソングライター・ギタリストのRei。ファーストアルバムが発売になるというタイミングだけに、会場にはReiファンが早くから整理券を求めて並んでいた。

白のハイネックのニットに大きな柄のスカートとエンジニアブーツという出で立ちに、使い込んだアコースティックギターを抱えて登場。今日はソロでギター弾き語りというセットだ。静かに始まったチューニングとサウンドチェックのための音出しですら、聞き逃すまいと固唾を飲んで見守るオーディエンスたち。適当に弾き流すのではなく1曲目が始まったような完璧な演奏に、なぜBGMを止めないのだ?と若干ざわつく。まるでボーナストラックのような、観客への特別なギフトとなった。

数分後、あらためて登場したReiのギターからのタップでリズムが始まる。やがて低音を響かせたギターリフのそれは、紛うことない彼女が幼少のころから蓄積してきたブルーズの文脈だ。

「my mama」に続いてギターのソロプレイから始まったのは「JUMP」。サビでギターをパーカッションのように叩くと、オーディエンスも自然にハンドクラップで応える。会場内が一体化したところで、間髪入れずにテンポよく3曲目の「COCOA」へ。エッジの効いたReiのボイスには太さも加わり、よりロックなテイストが増したように思う。ギター一本で弾き語りしているとは思えないほどのパワフルなプレイに「うんうん納得」といったジェスチャーをする人も。

短いMCのあと、ブルーズのギターリフを奏でながら次の曲紹介へ。ハーレーのイベントとしてはBLUE SKY HEAVEN 2018以来の登場で、高速道路でバイクに思いを馳せたりする彼女の選曲は「(Key) To The Highway」。幼少のころアメリカで育ったというReiのブルーズは、心の底から沸いてくる本物のブルーズだ。

続いて低音のベースラインのリフから始まったのは「Tumblin’」。途中、3拍子に転換し、まるでミュージカルのようなReiの世界観に引きずり込まれる。

そして、長い長い単音のギターリフのイントロ。単音のリフでさえ、これから何が起こるのだろうというワクワクを誘われる。やがてハンドクラップが沸き起こると、単音リフからブギウギへ。始まったのは『Route 246』だ。実際の国道246号線は海など見えないバイパス道路だが、Reiの手にかかれば日本語読みの「にーよんろく」もroute two four sixとなり、まるで海岸沿いをドライブしているかのように特別な気分にさせてくれる。

会場内の興奮が最高潮に達したところで、Reiの代表曲のひとつ「BLACK BANANA」へ。ギターソロが挟み込まれるたびに大きな歓声が沸き起こる。いつまでもReiの音楽を聴いていたいという観客の願いは、終わりまで止むことがないハンドクラップに込められていた。大歓声に包まれながら、この日のライブを締めくくった。

Reiコメント
「すっごく楽しかったです。ハーレーのイベントなので、バイクとか道路に関連した曲をフィーチャーしてみました。弾き語りでもアコギは独特のパンチのある音が出るのでエレキと使い分けてるんですが、今日はアコギにしました。代官山って珍しいクルマとかがたくさん停まってて、そういう街なんだなーって興味深く見てました」

[Set List]
1. my mama
2. JUMP
3. COCOA
4. (Key) To The Highway
5. Tumblin’
6. Route 246
7. BLACK BANANA

心地よいシルキーボイスのバラードで……

FREE[ER] WEEKEND in TOKYOを通して形作られたプレミアムな週末、そして全てのイベントの最後を飾ったのはKan Sanoだ。さまざまなジャンルのミュージシャンとのコラボやプロデュースを手がける彼だが、今回は自身のキャリア初となるキーボードとウッドベース(森川 祐樹)とのデュオで登場。彼の音楽的源流であるJazzyなサウンドを期待させた。

さらさらと流れてきたピアノの音色にやさしいウッドベースの音がスウィングしながらかぶさり始まったのは「C’est la vie」。リフで自然にオーディエンスのハンドクラップが加われば客席をも巻き込んでの“トリオ”の完成だ。Kan Sanoのシルキーなウィスパーボイスが耳に心地よく響く。

間髪入れずに始まった2曲目もスウィングで、「と び ら」。Kan Sanoワールドが広がるリリカルなコード進行と抑揚を効かせたピアノプレイに、オーディエンスの耳が集中する。
曲のエンディングに向かってスリリングにピアノとベースが掛け合い、ユニゾンの決めで終わると大きな歓声と拍手があがった。

短くメンバー紹介をしたあと、「では、最近作った新曲です」と次の曲「My Girl」を紹介すると、とたんに会場内から大きな歓声が。それだけ、ファンは次のアルバム発売を待ちわびているのだ。少しだけアップテンポで都会的な──それも、アメリカの都会を思わせる爽やかな風が流れた。

この曲とは対照的に、流れるようなピアノでヒーリングサウンドを聴かせたのは「Go Nowhere」。歌い始めたのはここ数年だという彼のシルキーボイスが染み渡ってゆく。

「さっきハーレーにまたがって写真を撮ってきまして……。僕、ハーレー感ゼロじゃないですか(笑)」

とKan Sanoが語り始めると、思わず会場からも笑いが。軽妙なトークも彼の魅力のひとつで、次の曲「Magic!」の演奏前にはオーディエンスにコーラスを指導。その掛け合いも楽しいライブとなった。

来年にはニューアルバムを出す予定とコメントし、最後の曲はバラードの新曲で「Downtown」を披露した。

一日、ハーレーの鼓動を味わったあと、イグニッションをオフにして静けさが訪れたときに耳を癒す……、そんな柔らかくも暖かいKan Sanoの演奏でFREE[ER] WEEKEND in TOKYO PREMIUM LIVE SHOWCASEが締めくくられた。

Kan Sanoコメント
「今日はいつもとは違う編成でやったので、いつもと違うアレンジも試したりしました。ハーレーのイベントということで、いつもより男性の方が多かったような気がします。お客さんのノリが良かったので、楽しかったです。普段はバイクにぜんぜん縁がないんですが、今日FXDR™️114を見てカッコイイな!と。やっぱり“マシン”っていいもんだなと思いました」

[Set List]
1. C’est la vie
2. と び ら
3. My Girl
4. Go Nowhere
5. Magic!
6. Downtown

心地よい余韻とともに──FREE[ER] RIDEへ紡いでいく

大勢のオーディエンスから喝采を浴びたFREE[ER] WEEKEND in TOKYO[PREMIUM LIVE SHOWCASE]。FREE[ER] WEEKENDは12月よりFXDR™️114をはじめとするハーレーダビッドソン2019年モデルの試乗会イベントFREE[ER] RIDEと名を変え、12月1日(土)・2日(日)と大阪で、12月16日(日)に東京でそれぞれ開催される。

FREE[ER] WEEKEND 特設サイト

Text:バイクジャーナリスト 小林 ゆき
Photos:Masato Yokoyama

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