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モータージャーナリスト・嶋田智之さんが行く。ハーレーダビッドソン最新モデル大試乗会

2016.12.07

11月26日と27日に東京・お台場で開催されたハーレーダビッドソン ジャパン主催の『THE LEGEND ON TOUR ハーレーダビッドソン最新モデル大試乗会 in お台場』。最新の2017年モデルを試乗できる同イベントを、モータージャーナリストの嶋田智之氏がレポート!

またバイクに乗りたい、乗るならハーレーがいいなと思った。

10代から20代にかけてバイクに熱中しながらも結局は大型二輪免許へステップアップすることなく降りてしまった過去を持ち、自動車雑誌編集者を経て今では自動車ライターという全く畑違いの生業を持つ僕。それなのになぜ訪ねてみる気になったのかといえば、最も大きな理由は若造の頃からハーレーに憧れめいた気持ちを持っていたことです。すんなり似合うような大人の男になれたらハーレーに乗りたい、と。そして似合うかどうかはともかくとしてすんなりオッサンにはなってしまった昨今。なぜかバイクの雑誌で400ccと250ccの試乗記を書かせてもらったことがきっかけで、またバイクに乗りたいな、乗るならハーレーがいいな、なんて気分が大きく膨らんできていたのでした。

それだからして、最新のラインナップが一箇所に集まっているこのイベントは、言葉は悪いけどとても都合がよかったのです。昔はマニアックなところもあったけど、今やド素人。クルマの世界では一般の方から“輸入車ディーラーは敷居が高いように感じて気後れする”といわれることが少なくなく、そういう方達に対して“それは昔の悪しきイメージで、今はそんなこと全然ないですよ”なんて答えてきた立場でありながら、どこか似たような気後れを感じてたところもありましたし、いかに正規ディーラーでも2017年モデルのラインナップ全てを取り揃えてるところは稀だろう、なんて考えていたところもあったからです。

とにもかくにも、2017年モデルを見てみたかった。できることなら跨がってもみたかった。ちゃんと足が届くか確かめるために。

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いざ会場に到着。

その望みは会場に入って速攻で叶うことになったわけですが、それはそれとして、実は会場に入って最初に目に飛び込んできたのは、行列でした。試乗会の受付を待つ人達の長い列。初日の早い時間ならそうは混まないだろうと思ったのは大きな間違いで、午前10時を少し回った頃にはヘルメットを持った仲間同士のグループ、カップル、親子連れと思しい二人組などが次々と会場に入ってきては列に続きます。待ってる間も談笑などして楽しそう。明るく朗らかで健康的な感じです。

まぁそうですよね。最新ラインナップのどれでも好きなモデルを選んで試乗できるんですから。今回は台場からレインボーブリッジを渡って戻ってくるロングコースと台場周辺を走るスタンダードコースのふたつ。試乗を終えてからプロに疑問点を訊ねたり印象を語り合ったりすることのできるコーナーも用意されていました。が、資格のない僕は、歯切れのいい音を残しながら会場から台場の街へと滑り出していくハーレー達を横目に、会場を奥に進みます。

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目当ては、ローライダーとフォーティーエイト!

2017年モデルは、『ストリート750(Street® 750)』、『スポーツスター(Sportster®)』、ダイナ(Dyna™)』、『ソフテイル(Softail®)』、『V-ROD®』、そして『ツーリング(Touring)』と、ファミリーごとに分かれて展示されていました。トライクは、モデル2種を取り揃えた展示でした。ほとんどのモデルが、触れることも跨がることも可、でした。僕のお目当ては、ダイナとスポーツスター。中でも『ローライダー(FXDL Low-Rider®)』と『フォーティーエイト(XL1200X Forty-Eight®)』は外せません。ローライダーは遙か30年以上も前からの憧れの名前だし、フォーティーエイトはコンパクトな車体のモデルの中で最もカッコイイと感じていたからです。

MY17 Lit Book Outtakes. INTERNATIONAL ONLY

ローライダーに跨がってみると、何だかやたらとシックリ来た感じがして驚きました。着座位置が名前のとおりとても低くて膝にも余裕が生まれるくらいだから、車体が長くても取り回しはしやすいかも、なんて考えたほど。ステップの位置がとても自然で、ハンドルを(僕の体型に合わせて)もう少し手前に調整できるなら、疲れずに長距離を楽しめそうなライディングポジションです。ホントに嬉しい驚き。ローライダー欲しい……な気持ちがますます盛り上がってきます。

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フォーティーエイトはコンパクトでスレンダー、そして比較的軽め。日常的にヒョイと乗って出る使い方ならこれかな、なんて考えちゃいました。が、ステップの位置がだいぶ前にあります。フォワードコントロールは、どっちかといえば前傾姿勢のバイクにばかり乗ってきた僕には、ちょっとばかり違和感でした。まぁそれも慣れが解決するのかも知れないな……なんて思っていたら、スタッフの方が声をかけてくれました。よっぽど「んんん……」な顔をしていたのでしょうね。彼によれば、オプションでステップの位置を通常の位置、つまりミッドコントロールに変えることも可能だとのこと。僕と同じようにフォワードコントロールに馴染みにくい人もいらっしゃるのだとか。

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ちなみに声をかけてくださったのは、ディーラーの方でした。さすがに知識が豊富で、モデルごとの違いやオプションパーツ、カスタマイズまで、僕が感じた疑問や質問には気持ちよく即答してくれました。これでもクルマの世界ではプロの端くれですから、お手並み拝見とばかりにちょっと意地の悪い質問もしてみたりします。が、ニコニコ笑いながら全て即答。しかも、ちっとも“上から”な感じはなく、心地好くフレンドリーです。なんだよ、ディーラー、ちっとも敷居は高くなさそうじゃん……と、思わぬところで実感しちゃいました。

試乗以外にもハーレーを“学べる”催しも沢山ありました

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そうした個人的な関心はともかく、点在するモデル群の中で最も注目を浴びていたのは、ツーリングでした。というのも、ツーリング・シリーズには最新型パワーユニット、『ミルウォーキーエイト(Milwaukee Eight®)』が搭載されていて、エンジンのカット・モデルなども展示されていたからです。各ツーリング・モデルが並ぶ会場中央部にはテントが張られていて、ミルウォーキーエイト・スクエアと名づけられていました。ここにはベンチも用意され、“新エンジン、ミルウォーキーエイトのすべて”“ハーレーダビッドソン・エンジンの歴史”“2017年ツーリングモデルの特徴”というように基礎知識が学べる楽しいセミナーが行われていました。僕はエンジンの歴史の時間帯に、別のテントで振る舞われたコーヒーを持ち込んで拝聴したのですが、最初のVツインからナックルヘッド、パンヘッド、ショベルヘッド、エボリューション、ツインカム、レボリューション、そして最近のミルウォーキーエイトと、世代ごとにポイントを押さえた解説があり、中途半端な知識しか持たない僕にはとても理解しやすかったのでした。

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ちなみにこれ以外にも“学べる”系の催しが会場内のあちこちで行われていて、メインステージでも2017年モデルの紹介やQ&Aタイム、女性ライダーのためのトークタイム、ためになるライディングTIPSの紹介などが行われていました。また隣接されたクローズドコースでは、実車を使ってのライディングテクニック講座なども行われていました。すべてを楽しもうと思ったら丸1日の時間が必要になりそうなくらい、催しは盛り沢山だったのです。

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ミルウォーキーエイト搭載のツーリングモデル、そしてアイアン883を体験

そして、僕のような大型二輪免許を持ってない人、免許証どころかバイクを運転したことのない人でもハーレーのテイストの一部を味わえる、お楽しみ企画が用意されていました。『JUMP START』と呼ばれる、実車に跨がってエンジン始動、スタート、ギアチェンジなどを体験できるコーナーです。実車は専用のベースに固定されていて、後輪がローラーを駆動する疑似走行体験システム、といっていいのかな? インストラクターの方が横について必要な操作を教えてもらいながら進めていけるので、バイクに乗ってことのない人でも大丈夫、というわけなのです。

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僕は二輪経験ありということで操作系の場所のみレクチャーを受けて、ミルウォーキーエイト搭載の『ロードグライド スペシャル(FLTRXS Road Glide® Special)』、そしてアイアン883(XL883N Iron 883™)の両方を体験してみました。ミルウォーキーエイトは、ローラーを駆動するだけでも判っちゃうぐらい、低回転域からのトルクが物凄く大きいエンジン。といって吹け上がりが重ったるいわけじゃなく、アクセル操作に対するレスポンスも想像以上に鋭い、楽しそうなフィールを垣間見せてくれました。883の方は、やっぱり軽快。ミルウォーキーエイトほどではもちろんありませんが、普通に考えればトルクも充分で、力強く走ってくれそうなフィーリング。ハーレーの中では排気量は小さい部類ですが、こっちはこっちで楽しそう。

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んー、やばいな。ハーレー、本気で欲しくなってきた……。

ともあれ、イベント全体を通してみると、行われている催しは盛り沢山だし、雰囲気は終始穏やかで明るい印象。小さなお子様とパパがタンデムでバイクに跨がってママが記念写真を撮ったり、彼女にバイクに触れさせて彼氏が楽しそうに説明してたり、そんな光景も目立ちました。何より最新モデルをすべて会場に用意して、それらの試乗までできてしまうようなイベントをメーカー自体が開催し、希望があれば誰でも参加できてしまうというのは、クルマの世界ではあまり聞いたことがありません。これは素晴らしい試みだと思います。全国各地で開催されたら、ファンはものすごく嬉しいんじゃないかな?

帰りしな、出入り口のところでレザージャケットなどのアパレルがビックリ価格で販売されてるのに心ひかれ、思わず「コレください」といいそうになりましたが、いやいや、その前にまずは免許だろ……と決意を新たにした楽しい週末のひと時だったのでした。

最後に参加されていた方おふたりに少々お話をうかがうことができたので、添えておきたいと思います。

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試乗の声 “ゆくゆくはハーレーに乗りたい”

まずは19歳にしてヤマハFZ1フェザーに乗る、東京都の宮間智大さん。試乗会でミルウォーキーエイトを体験されてました。
「ハーレーに乗るのは試乗会で2回目です。ツーリングは重いな、というのが第一印象でした。でも、走り出しちゃえば重心がしっかりしてるんで、とても楽。トルクは本当に凄い。一度アクセルを強めに開けてみたんですけど、加速は物凄く力強かったです。自分の今のバイクとは性格が全く違うんですけど、やっぱり憧れますね。メガスポーツにも憧れがあるので、まだしばらくは回して走るタイプのバイクに乗り続けると思うんですけど、ゆくゆくはハーレーに乗りたい。それも大きいのがいいので、ツーリング。早く乗ってみたかったので、今日は来てよかったです」

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“今のこのハーレーがない暮らしは考えられない”

もうおひとりは笑顔が素敵だったので声をお掛けした、千葉県の田崎要子さん。バイク歴は約6年で、2013年式FXDB ストリートボブのオーナーさんだ。彼女には御自身のハーレーへの想いを訊ねてみた。
「アメリカンタイプが好きだったんです。最初の3年は普通二輪で250ccのちっちゃいアメリカンに乗ってたんですけど、やっぱり自分でもハーレーにどうしても乗ってみたくなって、一念発起してがんばりました。最初はローライダーが欲しかったんですけど、この色に一目惚れして、バイクに興味のない旦那には事後報告で……(笑)。買ってから3年少々で25000kmほど走りました。ロングツーリングに行くことが多いですね。たまにキャンプにも行きます。高速道路でも安定感が高くて、クルージングはとても楽ですね。ハーレーに乗るのは、とても楽しいです。ひとりの時間を楽しめるし、クルマと違って空気も感じられるし匂いもあるし。そういう乗り方をするのには、ゆったり乗れるハーレーが最適。力もありますしね。何よりカッコイイ(笑)。このハーレーがない暮らしは考えられないですね。これが私の最初で最後のハーレーになると思ってます」

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PHOTO GALLERY

Text:嶋田智之
Photos:横山マサト

HARLEY-DAVIDSON JAPAN

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