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愛車と長く付き合うために。初回点検&定期点検を最大限活用するメカニック推奨のメンテナンス法!

2018.09.07
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せっかくハーレーを手に入れたのだから、その特別な一台をいつまでも長く乗っていたいものですよね。そこで大事になるのが「メンテナンス」。今回はハーレーディーラーのメカニックから、購入後にすぐにやっておきたい初回点検と慣らし運転、定期点検などのメンテナンス法について指南いただきます。

新車で購入したバイクでも、メンテナンスしてあげないと、どこかのタイミングで不具合が起きてしまうもの。不測の事態が起こってから……ではなく、日頃から愛車の状態に耳を傾け、次善策が取れるようになれば、快適なバイクライフがおくれるようになるはず。

ご協力いただいたのはハーレーダビッドソン茨城南。大型ショッピングセンターの敷地内に居を構えます。

ハーレーダビッドソン茨城南で工場長を務める塚本 遼河さん。

今回は茨城県の正規ディーラー「ハーレーダビッドソン茨城南」の工場長 塚本 遼河さんに、「知っておきたい、覚えておきたいメンテナンス 基本のキ」として、誰でもカンタンにチェックできるメンテナンス法や初回点検、定期点検のポイントを解説していただきます!

最初の一歩!初回点検のチェックポイントと重要性

初回点検とは、納車後の鳴らし運転が終わったころに愛車を点検してもらうことです。目安としては1ヶ月、もしくは走行距離800kmとしてください。ここで行う主な点検・作業としては「オイル交換」「ベルト調整」「タイヤの空気確認」「ワイヤー類の潤滑」です。

クラッチやブレーキの調整や潤滑も行います。ここの点検を怠ると、最悪なケースだと断線するということも。

初回点検時のオイルは、摩耗した細かな金属パーツが含まれています。走らせていなくても最大で3ヶ月、また800kmほど走られた際のオイル交換が好ましいですね。

「納車して間もないのにオイル交換?」と思われるかもしれませんが、新車のギアはまだまだ鋭く角が残っている状態で、走っていると金属同士が触れて摩耗しまうものなのです。これは自然な現象で、その角が取れていくことを「アタリがつく」と言います。その際、金属同士の摩耗によって目に見えない金属の鉄粉がオイルに混じり、それによってピストンを傷つけ、最悪の場合はギアの破損にも繋がってしまうことも。初回点検時のオイル交換は、定期的なオイル交換とは別の意味があるのです。

走っていれば空気圧が低下してくるタイヤ。空気圧が低いとハンドリングが重くなったり、ガソリンの燃費も悪くなってしまいます。

やや張った状態で納車されるベルトドライブ。こちらもタイヤ同様、実際に走り出すことでテンションが変化してきます。大事なチェックポイントです。

また、タイヤの空気圧やベルトドライブの弛みのチェックも大切なポイント。これはバイクの走行に直結するところで、空気圧が低ければハンドルが曲がりにくくなるし、ベルトに張りがないと外れてしまったり、逆に張りすぎていたらベルトそのものを痛めてしまいます。納車時は少しばかり張った状態になっているので、慣らし運転のあとに調整してあげなければいけません。

もちろん納車時に綿密な点検をするのですが、実際にオーナーが走らせることによってバイクのコンディションは徐々に変わっていきます。そこで我々メカニックが点検させていただき、そのうえで思う存分走らせていくのがバイクにとってもっとも良いことと言えます。

実際、納車から一切点検を受けずに乗り続けていた方のバイクが走らせるのも危ない程にトラブルが生じてしまい、様々な部品の交換が必要になって修理費用が高額になってしまった、というケースもあります。そうならないために、新車オーナーなら無償で利用できる初回点検はぜひ活用していただきたいですね。

これからの乗り心地を決定づける「慣らし運転」のより良い方法

「慣らし運転」とは、先ほど話しました「アタリをつける」(金属パーツ同士の角を取り擦り合わせる)ための優しい走らせ方のことで、一般的には「急発進や急加速はさせないこと」「エンジン回転数は3000回転以上にしない」といった点を押さえての走り方が大切と言われます。

目安は3,000回転。エンジン回転数はあまり上げすぎず、優しく回してあげてください。

新車のギア類はまだまだ角が立ったソリッドな状態にあります。優しく慈しむように慣らしていってやることで、金属類の角が取れてマイルドな挙動を手に入れることができるのです。

私はこういったアナウンスはしつつ、「好きな乗り方をしてください」ともお伝えしています。というのも、ここでの乗り方にオーナーさんの性格やクセが表れるので、初回点検時にいろいろ確認したうえで、より良いハーレーライフのためのご提案などをさせていただいているのです。

1ヶ月(最大3ヶ月)、もしくは走行距離800kmを経たところで行う初回点検時にチェックすると、ギア類にアタリが出てまろやかな挙動になっていきます。ここで新品のオイルに交換するので、エンジンのコンディションが良くなる訳です。

慣らし運転と初回点検を経たハーレーって、見違えるほど乗りやすくて楽しいバイクに変貌するんです。それをぜひ体感してほしいですね。

慣らし運転の際に併せてチェックしたいのがタイヤです。納車まもない車両のタイヤは、グリップ力を発揮しきれていない状態にあります。慣らし運転によってタイヤの表皮を落としていき、路面をしっかりグリップするタイヤへと変えていってやるのです。

乗り方のクセは誰にでもあるものです。何が良くて何が悪い、なんてありません。初回点検を経てからさらに楽しくなるハーレーライフのために、愛でるように愛車を慣らしてあげてください。

3年間のメーカー保証を活かした定期点検で愛車を長持ちさせる!

大切な愛車に長く乗り続けるために欠かせないのが「定期点検」です。納車からの走行距離が3000kmに達する、また未走行でも納車から半年を経た際に一度チェックしましょう。

ここでチェックするのはバイクそのものの状態全般です。初回点検時にも見たベルトドライブのテンションやクラッチワイヤーの状態、オイル交換、タイヤのコンディション、さらにブレーキパッドの減り具合などなど、項目は多岐に渡ります。

「乗っていなければどこも悪くならないんじゃないの?」と聞かれることがありますが、エンジンオイルは劣化していきますし、タイヤの空気圧も自然に低下していきます。こうなると私たちディーラーの元に走ってくることも不可能になります。以前そんな状態のハーレーで無理やり走ってこられたオーナーがいらっしゃいましたが、タイヤの空気がほとんど抜けてしまっていたためホイールのリムに隙間ができ、ホイールそのものが変形したり砂が入り込んだりという障害を引き起こしてしまいました。こういう状態のときって動かすのもままならないほどハンドルが重くなったり、切りにくくなったりしているので、無理せず担当店舗に引き取りの連絡をしてください。

ツーリングモデルに起こりがちなシーソーペダルの弛み。あまりに動きが緩慢だと駆動部分が傷んでしまうので、ここも気にかけておきましょう。

スポーツスターだとサスペンションの取り付け部分をしっかりチェックします。

この定期点検では、車種によって異なる部位のコンディションもチェックします。例えばツーリングモデルだと、シーソーペダルがちょっと弛んでいたりすることがあります。スポーツスターだとサスペンションの取り付け部分などを注意深く診ます。もちろんオーナーの乗り方やクセによって見るべき部分も変わるので、そこは長年ハーレーダビッドソンを取り扱ってきている私たちの知識と経験が最大限活かされるところですね。

ハーレーダビッドソン正規ディーラーでは、点検のチェックリストが細かく設定されています。

正規ディーラーで取り扱っているハーレーは一台一台診断表(カルテ)が設けられていて、そのときどきの皆さんのハーレーを細かくチェックし書き記しています。一定期間お越しになられていないオーナーには私たちからもご連絡差し上げていますが、「これってどういうことなんだろう?」「ちょっとここが気になるんだけど」など、些細なことでも違和感を覚えたときはいつでも正規ディーラーにご連絡ください。

また新車購入された場合には3年間の無料保証がついているので、こちらもぜひ活用していただきたいですね。

自分でチェック!「気になるポイント」を見つけてディーラーに相談

まずは「目視で確認できるポイント」ですが、
1)タイヤのスリップサイン
2)ブレーキパッドの減り具合
3)エンジンのロッカーカバーのオイル滲み
4)灯火類の点滅具合
などですね。

ご自身でオイル交換をされる方もいらっしゃいますが、慣れていないとオーバートルク(締めすぎ)でナットが歪んでしまった、というケースもあります。結果的に修理費用がかさんでしまうので、不安がよぎる方は遠慮なく販売店にお申し付けください。

タイヤの溝の一部に入っているスリップサイン。これがなくなるとタイヤ交換の時期です。

スリップサインはタイヤのグリップ力低下を知らせる重要なポイント。特にツーリングモデルのリアタイヤは大きなリアフェンダーで隠れていて見えづらいので、なるべくこまめに見ておきましょう。

ちょっと見えづらいキャリパー内のブレーキパッドのチェックはペンライトで。今ならスマートフォンのライトでも見られますね。

ペンライトなどでブレーキパッドを見る際、見た感じで1mm以下になっていたら交換するようにしましょう。販売店まで走っていく余裕があるうちに、という意味からです。ブレーキパッドがなくなってしまうと正常なブレーキングができなくなるのはもちろん、ディスクを傷つけてしまうのでまたパーツ交換費用がかかる、ということになります。

エンジンのロッカーカバーの隙間からオイルが滲むことも。些細なことに見えますがこれも大事なポイントです。

初回点検や慣らし運転で何度も出てきたエンジンオイル、それが漏れているとしたら、エンジン内のギアの動きを滑らかにするオイル量が足りなくなってしまいます。ハーレーではまれに起こるロッカーカバーからのオイル滲みはその予兆。気になる滲みを見つけたら、早めに販売店までお越しください。

ヘッドライト、ウインカー、テールランプなどの灯火類がきちんと点灯しているかも見ておきましょう。これらは走行時における周囲へのサインであり、オーナーが見ておかなければいけない義務付けられた部分です。例えばブレーキランプが点灯しないままだと、後ろを走る車が停止に気づかず突っ込んでくる、というケースも考えられます。もちろんいずれかが機能していないまま走っていると、パトカーに呼び止められて違反切符を切られることも。

ハーレーダビッドソン茨城南のスタッフ。左から営業の茂櫛 徹さん、店長の平田 清士さん、チーフテクニシャンの塚本 遼河さん。

これらはメーカー保証の範囲内で対応可能なもの。無理に自分で直そうとすると、違うトラブルを引き起こすことにも繋がるので、気づいたらすぐに正規ディーラーまでお越しください。

ハーレーダビッドソン茨城南
茨城県つくば市稲岡66-1-J
TEL:029-839-4180
営業時間:10:00~20:00
定休日:無休
HP:http://harleydavidson-ibarakiminami.com/

Text:杉沼 えりか
Photos:増井 貴光

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