Share The Freedom
ARTICLE

ソフテイル スリムと一緒に冬の初めの鎌倉へ。古民家で味わう蕎麦処と眺めの良いカフェを訪ねる

2017.12.01

良い波が出たから、今日は海へ。そんなサーファーのように、自由気ままにバイクを楽しみたいと思う。穏やかな日差しが暖かい今日は、絶好のバイク日和だ。
イグニッションキーをポケットに忍ばせ、セルボタンを軽く触る。キーホールを探す手間も、チョークを引いてアイドリングが安定するまで待つといった儀式も必要ない。いとも簡単に目覚めた『ソフテイル スリム(FLSL Softail Slim®)』で向かうのは、前から狙っていた古民家の蕎麦処と、眺めのよいカフェ。荷物を満載してのロング#ツーリングもいいけれど、こうして思い立った時にいつでも走り出したいと思わせる気軽さが“彼”にはある。
お気に入りのレザージャケットを羽織って、鎌倉方面にソフテイル スリムを走らせた。

穏やかな陽差しに誘われて一路、鎌倉方面へ

Vツインエンジンが気分を盛り上げる

ランチタイムまでは時間があるので、ゆっくりと都心を抜けることにする。
ゆったりとしたビートをシート下から感じる。信号待ちでさえ、Vツインのエンジンがバイカー気分を盛り上げてくる。
いったい何回転でアイドリングしているのだろう。左グリップのモードボタンを押して確認してみる。するとどうだろう、わずか数百回転ほどというクルマのような極低回転でアイドリングしている。1745ccという余裕あるキャパシティの『ミルウォーキーエイト(Milwaukee Eight®)』107エンジンならではである。


驚くほど低回転でアイドリングする107。停止時にもVツインの鼓動を楽しんで

一路、第三京浜へ。
環八からの導入路のタイトなコーナーが、都心の喧騒からのサヨナラの合図だ。ついスロットルを大きくひねってバンクさせてしまうものの、難なくクリアしていくのは、細身になったフットプレートのおかげでもある。クルマの流れに乗り、気分は一気にツーリングモードに。
快適なクルージングながらも、念のためとメーター周りを確認してみると、シフトインジケーターは「4」速を示していた。
いけない、いけない。慌ててシフトを二つ掻き上げる。ミルウォーキーエイト107エンジンはこんなにも余裕あるエンジンだったのかと思い知らされた瞬間だった。

いったんトップギアに入ってしまえば、あとは走りに集中したい。
このまま何百キロも走り続けられるのでは……。ソフテイル スリムに乗っていると、大陸横断してしまいそうな気分に支配されてしまう。こんな妄想がはかどるのは、3車線あって意外に広々している第三京浜の車線のせいなのか。それとも、左右に離れているミラーとタンク上に配置されているメーターのおかげで、目線を遮ることのないハンドルバー回りのデザインのせいなのか。
そんなことを考えているうちに、あっという間に保土ヶ谷料金所にたどり着いてしまった。ぐぐっと減速し、シフトをローに入れたところでETCゲートをくぐる。ここから今日の目的地、鎌倉方面へは少々テクニカルな合流となるので、一気に加速させて合流したい。
そのときだった。ドンっ!と背中から押されたような圧倒的なトルクの塊を感じたのは。ゆったり走っていると、穏やかな鼓動感を感じるのみだったが、ミルウォーキーエイトの実力はそんなものではなかった。そう言えば、うっかり2速発進しても何の違和感も感じないほどにトルクフルなエンジンなのだ。ローギアだけは心してスロットルを操作しないといけない。

古民家で味わえる蕎麦処

通いなれた横浜新道。横浜はわたしの地元で、これから向かう「侘助」は前々から気になっていた場所だった。

200年以上の間、風雪に耐えた古民家を移築した建物

かつての渋滞の名所「戸塚の原宿」交差点も、今は立体交差になっていくらか走りやすくなっている。そこを左折すると、いかにも横浜郊外という雰囲気の片側2車線の道になる。どこにでもあるような住宅、小さな店や会社、工場、畑や森。それらが交互に流れたのち、突如としてずっしりとした歴史を感じさせてくれる古民家が現れる。三浦半島や鎌倉、湘南方面へ向かうときにいつも何の建物なんだろうと思っていたのだけれど、かのミシュランにも掲載された蕎麦処だと知ったのは、ごく最近のことだった。
ツーリングと呼ぶには短い距離。ましてや、実家からならほんの30分ほどで着いてしまうご近所。近いからこそ行きそびれていたけれど、おだやかな日差しに誘われ、今日のプチツーリングの行き先にすることに決めたのだった。

どれだけ歴史を刻んできたのだろう。のれんをくぐると、そこはおよそ“横浜”という響きからは想像つかない、ゆったりと、それでいて凛とした雰囲気があふれていた。
聞けば、1977年の創業当時、福島県のいわきから築200年の古民家を移築したそうで、天井を見上げると屋根裏の茅葺きがそのまま見えている。囲炉裏の煤が柱を黒々と仕立てている。

一枚板の大テーブル、陽差しが明るいテーブル席、そして広々とした座敷。それぞれ雰囲気の違う席を選べる

会席もそそられるが、新蕎麦の時期でもあり、またこのあとカフェ巡りもしたいので、ここはぐっと我慢して天ざるそばを注文。
ほどなくして運ばれてきた蕎麦は、やや白みがかっている。てんぷらは、主役の海老はもちろん、季節の野菜の彩りが見える程度に薄くカラっと衣が被る。
まずは、そのまま蕎麦をそばつゆに半分ほどくぐらせて。さっとすすり上げ、新そばの香りを楽しんだところで、今度はざぶっとつゆにくぐらせて。やわらかい旨味が口いっぱいに広がる。本節の一番削りだけを使ったという贅沢なそばつゆには、ほどほどの薬味を。

国内産そば粉を使用したざるそば

取材時は運良く季節柄、新そばを味わうことができた

何種類かの味わいで蕎麦を堪能しつつ、今度は天ぷらへ。アツアツで供される天ぷらは、蕎麦を楽しんでからでもサクサク。ジューシーな舞茸、ほくほくのサツマイモなどをいただきつつ、名残惜しみながら合間に蕎麦をつまむ。


素材の味をたっぷり楽しめる上品な衣と揚げ加減がうれしい天ぷらの盛り合わせ

完食したあとのお楽しみは、そば湯で割るそばつゆだ。カドのないまろやかなそばつゆは、最後の一滴まで飲み干したくなるほどの美味しいスープとなり、身体も気持ちも温めてくれる。
ジャズが流れる店内で、ゆったりとした時間が流れる至福のとき。ああ、いつもなら何の変哲もない日常だったはずなのに。

【次ページ:高台からの眺めが最高!鎌倉山にあるカフェへ】

HARLEY-DAVIDSON JAPAN

FOLLOW US!!

NEW ARRIVALS