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北アイルランド、バイクがつなぐ友情。ベルファスト市街からコースト・ロードへ、アイアン883が駆け抜ける

2018.07.06

ハーレーダビッドソン ベルファストへ

ベルファスト行きのフェリーはTT帰りの人々でごった返していた。だが、ちょうど乗り合わせた友人イアンがクワイエット・ルームをアレンジしてくれたおかげで、クッキー食べ放題の静かな環境で5時間の船旅を快適に過ごすことができた。

深夜1時着にも関わらず、ウェズが迎えに来てくれ、4年ぶりの再会を喜び合った。翌朝、ウェズが用意した『ストリートグライドスペシャル(FLHXS Street Glide® Special)』の後ろに乗ってH-D正規ディーラー「ハーレーダビッドソン ベルファスト」(以下、H-D ベルファスト)へ。

工場などが立ち並ぶ地区にあり、そこを目的地にしないと通りすがることはないような場所だ。すると、まるで体育館?!に感じるほど巨大な建物が現れた。

H-D ベルファストの前にて。

アイルランド島にはハーレーの正規ディーラーが数件しかなく、ここH-D ベルファストは一番大きいのだそうだ。名前こそH-D ベルファストだが、ベルファストではなく、隣のアントリムに位置する。

お店に到着すると、まずはウェズがショップを案内してくれた。1階にはほとんどのニューモデルはもちろん、正規中古車が展示されている。カスタムパーツからケミカルもすべてが揃っているし、アパレルコーナーは、レディスやキッズ用も豊富だ。

広い店内には、ないバイクはない、ないものはない、というほど“ハーレー”があふれている。

H-D ベルファストの社長、George Watsonさん。

2階はくつろぎのコーナーとなっていて、2台のビリヤード台が置かれている。またキッズコーナーもあって、ぬり絵がずらっと並んでいるのが微笑ましい。

バックヤードは整備コーナーになっていて、「ここが自分の整備コーナーだよ」と案内してくれるウェズの表情が誇らしげだった。日本のそれと比べてしまうと、とても贅沢な空間で、ありとあらゆる工具やテスターがそれぞれのメカニック専用で用意されている。

レンタルバイクの手続きは1階のカウンターで行う。担当のエンマが書類を出してくれ、説明通りに記述していく。事前に運転免許証などのデータを送ってあったので、現場で記入する部分はとても少ない。

担当のエンマ。てきぱきと手続きを進めてくれた。

記入し終わると、諸注意事項の説明があり、いよいよアイアン883とご対面!入口には今回お借りするバイク以外にも10数台のバイクが並んでいた。どれも新しい年式のモデルばかりで、ピッカピカだ。

店先にはハーレー正規レンタルバイクが並ぶ。

何回かレンタルして購入に至るとか、まだ運転に自信がない女性ライダーがレンタルするケースが多いというのは日本と同じようだ。

走り出す前に、イグニッションやウインカー、ハンドルロックなどの説明を受け、いよいよアイルランドツーリングへ!有名なジャイアントコーズウェイやNW200のコースもいいが、今回は時間が限られていることもあり、まだ訪れたことのなかったベルファストの街と、近隣のツーリングコースに連れていってもらうことにした。

「タイタニック」の街、ベルファスト

ベルファストと言えば、世界的に有名なのは「タイタニック」である。かのタイタニック号が建造されたのがベルファストだ。お店からモーターウェイを少し走って都心部へ。都心部と言ってもベルファストの街はこじんまりとしていて、渋滞もそれほどではない。

まずは、港にあるタイタニック博物館へ。さすがにここは観光客が多い。見物している時間はないので、そのまま黄色い鳥居のような大きな構造物が見える場所へ移動。ベルファスト中心部からならどこからでも見える大きな構造物は、タイタニックを作った造船所、H&Wである。街のお土産屋さんにも小さいミニチュアが置いてあるほどで、ベルファストの象徴となっている。

かの有名なタイタニックの博物館前にて。

タイタニックを建造したH&W。ベルファストのシンボルアイコン的存在だ。

カメラマン、スティーブンの案内で、さらに街中に進む。少し狭いストリートのそこかしこに、壁面アートが描かれている。

「ここなんかどう?いかにもベルファストっぽいでしょ」

とスティーブンが案内してくれた場所にあったのは、アルスター義勇軍の記憶を刻む壁画だった。

70年代、80年代の記憶を残す壁画。

幼なじみがイメージしたあのころのアイルランド。壁面に描かれた黒づくめのユニフォームが不気味にも感じたが、この壁面の向かいはスーパーマーケットがあるし、近くには学校もあって、ここには日常が行き交う。今となってはこの壁画が平和の象徴になっていることを願って、ベルファストの街をあとにした。

続いて向かったのは、キャリックファーガス城。ベルファストの街からほど近いアントリムの海沿いに建つこの城は、中世のノルマン様式を今も残しながら現存する。観光客はもちろん、修学旅行や郊外学習であろう制服姿の学生さんたちも多い。

中世のお城がそのまま残るキャリックファーガス城。

2台のハーレーを停め撮影していると、さっそく港で作業していた男性たちが近寄ってきた。

通りすがりの人がバイクを眺める場合、どれくらいバイク好きか、バイクに詳しいか見分ける方法がある。彼らはとても詳しい人たちだというのがすぐにわかった。近寄ったとたん、しゃがみこんだからだ。バイク好き特有の習性として、バイク全体を見るだけでは飽き足らず、ついしゃがみこんでエンジンやサスペンションの構造をなめるように眺める、という特徴がある。……と思う。

さっそく、H-D ベルファストのメカニックであるウェズが、ニューモデルたちの特徴を説明し始めた。

アイルランドは公道レースが盛んなことからもわかるように、オートバイ好きの人が多い。実際に乗っていなくても興味があるという人も多くて、今回のツーリングでも、あちこちで囲まれてはしゃがみ込まれることがあった。目線はまっすぐバイクに向かい、あれこれ細かなスペックを目で確かめながら味わっているといった風情。日本のようにあちこちで生活のためのバイクが走っているわけではないけれど、別の形でバイクが文化として根付いていることを感じた出来事だった。

【次ページ:街中を飛び出し、絶景の海沿いをツーリング!】

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