Freedom Interview
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売れたらハーレー!メイプル超合金、安藤なつさんのハーレー物語

2017.11.10

無軌道なボケに朴訥としたツッコミ。しかし高カロリー&高インパクトな姿で観る者に不思議な印象を残すお笑いコンビ、メイプル超合金の安藤なつさんが念願のハーレーダビッドソン・115周年記念モデルのファットボーイを手に入れる。その過程の、おもしろくて泣かせるちょっといい話。

奇妙な風を吹かせたハーレー&アンドーナツ

安藤なつは侮れない。大型自動二輪免許を取得してから半年だというのに、これほど見事な座りの良さを見せる人はそういないだろう。そこで思い出した。ハーレーダビッドソンが世界中の道を席巻して久しいとは言え、このブランドが生粋のアメリカンだったことを。そしてそのサイズ感は、生まれ故郷の大柄なアメリカ人を基準にして生まれたことも。だから身長170㎝/体重130㎏の安藤なつを受け入れるのは造作もないというか、むしろウェルカムなのかもしれない。

やっぱりハーレーは懐が深い。いや、ハーレーを腰下に収める彼女のほうが凄いのか?いずれにせよ撮影のためにその辺をちょっと流しただけのハーレー&安藤なつは、異彩ゆえに誰もが納得してしまうような奇妙な風を吹かせた。安藤なつ。あんどうなつ。アンドーナツ? 芸名にもハーレーと被る懐の深さを潜ませていたということかメイプル超合金!?

涙ぐましきバイク断ちの祈願

1981年東京都生まれ。生後31年で金髪&真っ赤な衣装の相方とお笑いコンビを結成した安藤なつが子供の頃に心を奪われたのは、不朽の名作SFコミック「AKIRA」だった。
「金田少年もカッコよかったんですけど、私は自分の体格もあって敵対する暴走族のジョーカーが乗るバイクが大好きになりました」。ちなみにジョーカーという登場人物が操るのは、いわゆるアメリカンタイプだ。
「そこからですね、バイクに憧れを抱いたのは。父が単車に乗っていたことも影響があると思います」

メイプル超合金の結成以前だが、すでに芸人として活動していた26歳のときに都心へ転居。移動の自由さと維持費の安さでまずは原付に乗り、やがて中型免許を取得。国産クルーザータイプを乗り継いだ。そしてある日、彼女は決心する。「もし売れたらハーレーに乗ろう」と。
「ハーレーに詳しかったわけじゃないんです。ただ、めちゃくちゃ高価ということだけは知っていました。下手したらOLの年収と変わらないくらいだろうと。でも、ハーレーこそが私の最終型だと思ったんです」。そこで安藤なつは涙ぐましい願掛けをする。
「寅さん、じゃなくて渥美清さんが拝んだという神社(筆者注:渥美清が禁煙を誓った後に『男はつらいよ』の主役を得たことで知られる、台東区下谷の小野照﨑神社。)に私も行ったんです。それまではバイクを断ちますから、いつか必ず売れますようにとお願いしに」

あの日を境に芸人だけで暮らせるようになりました

そうして彼女は2017年の春先に1年かけて大型自動二輪免許を手に入れた。ハーレーに憧れているということでテレビ番組の企画でディーラーを訪問したり、実際にハーレーに乗る機会も得た。
「ハーレーがいいと思ったのは、相方と二人乗りしたらエヂカラが強くなるだろうなと。それとインスタ映え。相方とハーレーに乗った動画がネットで流れたらしいんですけど、あれって番組収録中の盗撮なんです。なのに私はすごくテンションが上がっていて、満面の笑顔。もう、ウェ~イって感じでした」

話を聞いていて、一つ疑問が浮かび上がった。売れたらハーレーと言ったものの、どのタイミングで自分が売れたと判断したのだろうか?
「バイトしなくなったら、ですかね。それが2015年のM1決勝前日。当時は介護施設で働いていて、夜勤のシフトを組んじゃったのでほとんど寝ないで本番に臨んで、結果7位でしたけれど、あの日を境に芸人だけで暮らせるようになりました」

ファットボーイにファットガール!

今やテレビをはじめ各方面で活躍するようになった彼女が選んだのは、115周年記念限定モデルの『ファットボーイ114 アニバーサリーX(FLFBS ANX Fat Boy™ 114 Anniversary X)』。その理由は「ファットボーイにファットガール」だそうな。笑わせるじゃないか安藤なつ。
「どんな風に乗りたいとか、まだ具体的なイメージが沸かないんです。できたら広々したところを走りたいかな。例えば北海道とか。手元に実車が来たら、いろいろ思い付くんでしょうけど」
それでは再び質問を。誓いを立ててまで願った憧れのハーレー。それを最初に見せたいのは誰か?
「同級生のスタイリストです。彼女とは6年間同じ部屋に住んで、私は売れる芸人に。彼女はアシスタントじゃないスタイリストになろうと、共に励まし合った仲なんです。いつかいっしょに仕事ができたらいいねって、よく話していました」
その同級生が櫛田絵美さん。この日の撮影にも付き添ったフリーランスのスタイリストで、今はメイプル超合金の専属だ。安藤なつの衣裳も自ら仕立てているという。

左:スタイリストの櫛田絵美さんと、右:安藤なつさん

「ないんですよ、彼女に合うサイズや色の服が。だから仕方なく手づくりで(笑)。でも、昔二人で夢見ていたことが叶って、この現状にびっくりしています」
泣かせる話じゃないか、アンドーナツ。
「納車は年明けの1月です。まだ少し間がありますが、誕生月でもあるのでちょうどいいかなって。とにかく今はワクワク。ところで何を着て乗ったらいいですかねぇ。これまでのバイクは素手か軍手だったけど、ハーレーならやっぱり革の手袋ですかねぇ。変装? しませんよ。したところでこの体格を隠し切れないし。何しろ地毛がジェッペルみたいだから、何を被ってもねぇ」。やっぱりおもしろいじゃないか安藤なつ!

Text:田村十七男
 Photos:横山マサト

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