Freedom Interview
ARTICLE

しなやかに進化を重ねるアーティストAzumiさんが語る、表現者としての矜持。そしてブルスカ2017への抱負

2017.05.08

5月20日(土)~21日(日)に富士スピードウェイで開催されるハーレーダビッドソン国内最大のイベント「BLUE SKY HEAVEN(ブルースカイヘブン、以下ブルスカ)2017」。このイベントは、富士スピードウェイという国内有数のサーキットを駆使したバイクイベントでありながら、Gotch & The Good New Times、Azumi、シシド・カフカ、Still Caravan、大久保初夏、Masaki、ZiNEZ、The ManRayといったミュージシャン/パフォーマーが多数集結するエンターテインメント性も併せ持つ。開催当日に向けてスタートした出演アーティストのインタビュー企画第三弾に登場するのは、Wyolicaの活動を経て、現在はソロ・アーティストとして活躍するAzumiさん。ブラック・ミュージックからジャズまでを横断する豊かな音楽性で人気を博すAzumiさんは、昨年「函館珈琲」で映画に初出演。今年に入っても文芸誌「すばる」にエッセイを寄稿するなど、ますます活躍の舞台を広げている。そんなAzumiさんに、最近の活動やハーレーの印象、ブルスカ当日への意気込みを語っていただきました。

映画「函館珈琲」に出演して

――Azumiさんは昨年、「函館珈琲」で映画に初出演されましたが、その作品が3月にBlu-ray/DVD化されましたね。

4月の初めに劇場公開もやっと終わりました(笑)。

――また、4月の高崎映画祭では、「函館珈琲」の上映会に併せてAzumiさんのライブも開催されたそうですが、これはきっとなかなかできない経験になったのではないでしょうか?

そうですね。高崎映画祭でもなかなかないことだったはずですね。私としても、劇場公開がはじまるときに東京と函館でライブと上映会をあわせたイベントをやった以来でした。上映後に映画を観てくれた方がそのまま私のライブを観てくださったので、私のことを知らない映画ファンの方もいる。その中で歌わせていただくというのはすごく緊張しましたね。しかも、メイン・キャストが全員いて、スタッフさんや監督さん、プロデューサーさんも勢揃いして、みんながいる中で披露するのはこれが最後かもしれないなと思い泣きそうになってしまいました。でも、「ここで私が泣いたら寒いな」と思い、ぐっと堪えましたけど。高崎映画祭は伝統もありますし、映画ファンのツボを突くような素敵な映画祭なので、そこで歌わせていただけたのは本当に光栄でしたし、嬉しかったですね。

――改めて、映画「函館珈琲」はどんな作品だったと思いますか?作品の封切りから時間が経って、以前よりも客観的に見られる部分もあるのではないかと思うのですが。

高崎映画祭のときに、約半年ぶりにみんなで観たんですけど、「また観方が変わったなぁ」と思いました。お話自体はモノづくりをするアーティストが集まるアパートの話で、その中に私が演じるピンホールカメラマンの佐和や、テディベア作家の相澤、ガラス玉職人の一子がいたりするわけですけど、それぞれにみんな背景があって、傷を抱えていて。同じく傷を抱えた桧山という男性がやってくる。でも、この人の淹れる珈琲は美味しいねという、そのコーヒーを丁寧に淹れる時間が、みんなにとっての憩いの時間になっていく。映画の中に「函館は時間の流れ方が違う」というセリフが出てきますけど、一度立ち止まったり、自分の時間を作ることを許してくれるような映画だな、と改めて思いました。

――観る人にとっても「映画を観ている間が自分と向き合う時間になる」ような、そんな作品だと思いました。

そうですね。映画にも色んなものがありますけど、この「函館珈琲」は「多くを語らない」タイプの映画だと思うんですね。それに、観終わったあとに語り合えるような時間が作れる作品でもあって。そうやって、「色んな時間を作ることができる映画」なんだと思いますね。

――中でもAzumiさんが演じられた佐和さんは対人恐怖症の役で、セリフが少ない中で心境の変化を表現するのはとても難しかったのではないでしょうか?

クランクインするまでに自分でも色々と考えましたけど、最終的には現場に行ってキャストのみんなとたくさん話し合いました。そういうところで色々なヒントをもらったり、主人公の桧山を演じた黄川田(将也)さんが撮影中、「このシーンの佐和に、俺は救われるんだろうなぁ」とボソッと言ったり(笑)。お互いにヒントを投げ合うような現場だったんです。

――撮影中、キャストのみなさんは本当に仲がよかったそうですね。

気持ち悪いぐらいよかったですよ(笑)。私は映画初出演だったので他の現場のことは分からないですけど、「これは特別なんだろうな」と思いましたし、キャストのみんなも「こんな現場はなかなかないよ」ということを言っていましたね。

――この映画に出たことは、Azumiさんにとってどんな経験になりましたか?

宝物のような作品だし、かけがえのない仲間にも出会えたし、「モノをつくる」ということに対しての向き合い方に影響を与えてくれたと思います。みなさんの映画愛やスタッフさんのプロフェッショナルな背中を見て、本当に勉強になりましたね。でもその現場は再びは訪れない。「映画は愛しくて儚いものなんだなぁ」という気持ちになりました。音楽的表現も「また違うアプローチができるかな?」と感じたり、物事の掘り下げ方が変わったり。相手とのコミュニケーションやタイミングなど色んなものに反応して作られるという意味では、ライブのセッションに近い体験かもしれないですね。

デザイナー、執筆業、多方面で活躍するAzumiさん

――Azumiさんは他にも、ヘッドドレスブランド「Tuno by Azumi」での活動があったり、文芸誌「すばる」5月号にはエッセイ「すくうもの」を寄稿されたりしていますね。

「Tuno by Azumi」は今はオーダーメイド専門にしていて、「一点もの」を大切に作っていこうとしています。このブランドはもともと自分がライブで着る衣装のためにひとりで作っていたものがはじまりだったので、デイリーのものを量産するのではなく、その方向に一度戻って行こうとしているところなんですよ。ひとつを丁寧に、こだわって作ろうとしていますね。

――映画「函館珈琲」に出てくる登場人物も、そういった雰囲気を大切にしていたように思います。そう考えると、映画とも繋がる部分があるのかもしれませんね。

そうですね。そもそも、「函館珈琲」への出演も、「何かモノを作っている人=アーティストがいい」ということで私に出演の話をくださったようなんです。一方で、「すばる」に寄稿したエッセイについては、これまでファッション誌やカルチャー誌でコラムを書くことはあったものの、文芸誌に書くのはひとつの夢で、初めての経験になりました。

――「すばる」にエッセイが載るというのはとてもすごいことですよね!

ありがとうございます。執筆の仕事をしたいなぁと知り合いに相談したときに、ちょうど「すばる」さんの編集の方がいらっしゃって、その場で話が盛り上がって。編集者の方も私がこれまでやってきたことを見てくださっていて、後日「改めてお願いします」という話になりました。

――Azumiさんの歌詞の世界観なども決め手のひとつになったのかもしれませんね。エッセイ「すくうもの」の内容はどんな風に構築していったのですか?

今回は、シニカルな雰囲気を軸に、私らしく、「すばる」さんでは書かれていないような作風のものを書こうと思っていましたね。女性の生き方や、女性の悩みのようなものを中心に書いてみようと。タイトルの「すくうもの」はトリプル・ミーニングになっています。ただ、それがラストにも関係してくるので、どんな意味がかかっているのかは読んでのお楽しみです。今回のエッセイの執筆は本当に勉強になりましたし、これがまた次に繋がっていくといいな、と思っていますね。

ハーレーの印象は?そしてブルスカに出演

――本当に色んな活動をされているのですね。そして今回、ブルスカへの出演も決定しています。そもそも、Azumiさんはハーレーダビッドソンやバイクにどんなイメージを持っていましたか?

やっぱり、かっこいいですよね。バイクには、昔後ろに乗せてもらったりしたことはあります。最初は恐かったんですけど、途中で風を感じたり、景色を見たりする余裕も出てきて、クルマとは全く違う感覚でしたね。私はスキーをしたりするとスピード狂なので、楽しかったのを覚えています。

――今回はハーレーの実車を持って来たので、感想を教えていただけますか?

ああ、可愛い!カッコイイ!私は小さい頃からロボとか男の子っぽいものが大好きなんですよ。これ、いいなぁ。

――バイクに乗る男性には、何か魅力を感じますか?

バイクを引き起こしたりするときに出る筋肉がすでにかっこいいですよ。それに、男の人って本当に自分が好きなものを手に入れたときって、ものすごく嬉しそうな顔をしますよね。私はそういう顔を見るのが好きですね。

――Azumiさんはブルスカの会場となる富士スピードウェイでの演奏経験もあるそうですが、今回はどんなライブにする予定ですか?

そのときは自動車関連のイベントだったのですが、私のことを知らない方や、普段は接点のない方が、足を止めて演奏を聴いてくださるのがすごく嬉しかったのを覚えています。今回はハーレーのイベントなので、バンド・スタイルでやらせてもらおうと思っていますね。ピアノ一本でアコースティックにやるというよりも、きっちりとサウンドを作りたい。スウィングジャズやブラック・ミュージックをミックスしながら、今の私の音楽を届けたいですね。

――昔と今とで、Azumiさんは自分のライブに何か変化を感じていますか?

最近はいい意味で余裕が出てきているというか、大雑把になってきているというか。センシティブになり過ぎないことが大事かなと感じます。昔は、自分で自分を追い込み過ぎていた部分がありました。もちろん、今も昔もライブをするときは緊張しますけど、その余裕が、今までできなかったパフォーマンスになると思っています。デビューしたときからずっとそうなんですけど、私が歌い上げたりしないのは、押し付けるのが苦手だからなんですよ。歌詞に関しても、言い過ぎず聴いた人が考える余地を残したい。その中で、ちょっと背中を押せるようなものにしたい。そういうことを考えてやってきました。昔は自分自身に余裕がなかったりしていたものが、最近はより余白を残したまま、みなさんにお渡しできるようになってきたのかな、と思いますね。

――では、当日観てくれる方には、どんなステージを期待していただきたいですか?

その場がキラキラするような音楽をお届けしたい。天真爛漫な音楽を聴いてほしいですね。ステージも外ですし、みんなでキラキラした笑顔になりたいと思います。

車両:ソフテイル スリムS(FLSS Softail Slim® S)

Text:杉山 仁
Photos:横山マサト

Azumi

Wyolicaのヴォーカルとして1999年大沢伸一プロデュースでデビュー。優しく透明感のあるヴォーカルと穏やかで切ない歌詞とメロディーが魅力。 俳優やデザイナーとしても活動しており多方面で活躍している。
http://azumi.asobisystem.com/

PHOTO GALLERY

HARLEY-DAVIDSON JAPAN

FOLLOW US!!
PREV

POPULAR RANKING

01
02
03
04
05
06
07
08
09
NEXT

NEW ARRIVALS